痛快な“竜退治”だ。日本ハム新庄剛志監督(50)が、4-0の5回1死二、三塁から意表を突く2ランスクイズを仕掛けた。

1死から3連続長短打で1点を加え、打席には本拠地では今季初スタメンマスクの石川亮。カウント1-2からの4球目をバットに当て、前に出た一塁手と投手の間に、うまく転がした。

三走の谷内に続き、二走の今川まで悠々とホームにかえって2点追加。両拳を天に突き上げ、さらに右手で今季一番派手なガッツポーズを作った新庄監督は「完璧ですよ。キャンプからやってきたことが、ミスなく一発で成功した。このうれしさを、みんなに分かって欲しいな」と大喜びだ。

3バントの緊迫した状況で決めた石川亮は「BIGBOSS野球が浸透しているので『何かあるだろう』と準備はしていた。ここ数年で一番緊張した」。不思議と失敗のイメージは湧かなかった。「ボスは『ミスしてもいいから思い切ってやれ』という環境を作るのが、すごくうまい」と、成功の秘訣(ひけつ)を明かした。チームは今季5度目の2桁得点で、交流戦2度目のカード勝ち越し。新庄監督は「勝ち負けより(選手の)成長の方がうれしい。どんどん大きく成長して、いやらしいチームにしていきます」。最強への旅は続く。【中島宙恵】