交流戦Vのヤクルトが、勢いそのままにリーグ再開勝利し、今季初の6連勝を飾った。2点リードの4回1死一、三塁で、サイスニード投手(29)がバスターエンドランに成功。左前適時打で来日初打点を挙げた同投手は、投げても自己最長の8回を6安打1失点で4勝目を手にした。高津臣吾監督(53)は、戦術面の明言は避けたが、下位打線からの積極攻撃で全員一丸となり、2位巨人とのゲーム差を「8」に広げた。

   ◇   ◇   ◇

味方ベンチも驚く追加点だった。2点リードの4回1死一、三塁。三走青木がスタートを切ると、打席のサイスニードが、大瀬良の高めスライダーをバスター攻撃。打球は前進守備の内野手の間を抜けて左前に転がった。高津監督は「何とも言えないですね。ちょっと作戦のことなので」と明かさなかったが、助っ人右腕はお立ち台で「自分がサインミスしたんですけど、結果オーライっていうところですね」とニヤリ。結果的に意表を突くバスターエンドランで貴重な4点目を加えた。

サイスニードは3回無死一塁でも、同じく大瀬良からバスターで遊撃への内野安打を決め、小園の悪送球を誘って無死二、三塁と好機を拡大し、塩見の同点打と山田の決勝打をお膳立て。その後は本職の投球で勝利に導き、「とても気分がいいです。中村捕手とはあうんの呼吸でしたし、守りもよく守ってくれました。最高です」と喜んだ。

交流戦MVPの村上は無安打だったが、サイスニードの2安打1打点に加え、8番長岡が3安打1打点、7番オスナが2安打1打点。計7安打3打点と機能した下位打線に、指揮官も「下位と名前はついてますけど、すごく大事なポジション。リーグに戻ったら投手も打席に入る。今日のスニードもそうですけど、出塁する、つなぐ、かえす。いろんな作戦であったり、しっかり点につながるバッティングが出来たのかな」と納得の表情だ。

試合前のミーティングでは「覚悟を持ってグラウンドに立ってください。プレーだけは小さくならないように。思い切って伸び伸びプレーしなさい」などと呼びかけた。リーグ戦再開初戦から指揮官の言葉を体現してみせたヤクルトナイン。その強さは間違いなく本物だ。【鈴木正章】

○…40歳青木が攻守で魅せた。コンディション不良で離脱していたが、この日1軍登録され、5月26日の日本ハム戦以来となる先発出場。1回1死一塁、広島菊池涼のフェンス際の邪飛をネットに飛び付いて好捕。4回の打席では内野安打を放った。ベテランの奮闘に高津監督も「ベンチでもよく声を出すし、チームに与える影響はすごく大きいんだなと思いました」と納得の表情だった。

▽ヤクルト塩見(3回に同点適時二塁打)「点を取られた直後だったので、すぐに取り返したかった。コンパクトに良いスイングが出来ました」

▽ヤクルト・オスナ(5回に右前適時打)「チャンスだったので強引にいかず、チーム打撃に徹して打ちました。抜けてくれて良かったです」

【関連記事】ヤクルトニュース一覧