先発した日本ハム吉田輝星投手(21)は、3回を4安打3失点。先発ではルーキーイヤーの19年以来となるプロ2勝目を目指したが、45球でマウンドを降りる結果になった。

    ◇    ◇    ◇

4回のマウンドに、吉田の姿はなかった。「暑さ苦手じゃないので、僕は」。18年夏の甲子園で「カナノウ旋風」を巻き起こした“夏男”。だがこの日は苦しい表情ばかりが目立ち、ベンチで大量の汗をぬぐった。3回4安打3失点。「早いイニングで降板する形になり、リリーフの皆さんに申し訳ない気持ちです」。プロ初登板初勝利だった19年6月以来の先発勝利は、またしても手にできなかった。

今季は救援20試合で防御率2・63ながら、4度の先発マウンドは防御率7・53。いずれも5回を投げ切れていない。別人のような投球内容に、首脳陣からは「(先発時に)ちょっと加減してしまうのを直せ」と指摘されていた。

課題克服には正面から立ち向かった。2回までに投じた26球中、21球が直球。自信のある勝負球を出し惜しみせずに右腕を振った。しかし初回は先頭の川越を四球で歩かせ、源田、森に連打を浴びて先制点を献上。失点にはつながらなかったが、2回も先頭打者に四球を与えた。

打順が一回りした3回は、変化球を中心に配球を変更。「(先発は)同じ打者と(何度も)対戦することを考えながら配球する」。長いイニングを投げるための工夫だったが、3回2死三塁で森に135キロフォークを右中間に運ばれ3失点目。「変化球がなかなか決まらず、カウントが悪くなったところを打たれてしまいました」。19球中12球が変化球となったこの回も制球は安定せず、計45球で交代を告げられた。

故郷・秋田での登板だった前回21日楽天戦には、金足農の同級生らが応援に駆けつけた。「自分自身にとって特別な気持ちになったし、刺激になった。(次の登板で)いい投球が出来れば、ちょっとでも恩返しになるかな」と意気込んでいたが、明るいニュースを届けることはできなかった。

▽日本ハム武田投手コーチ(吉田に)「四球から自分を追い込んでいたのは、もったいなかった。ストライクゾーンで勝負するということから入っていかない限り、ボール先行になって後手後手な投球になってしまう。有利なカウントを作ることをイメージして、打者に対するのが理想」

【スコア】プロ野球スコア速報>>