社会人野球の全日本クラブ選手権(8月27日開幕、神奈川・川崎市等々力球場ほか)出場をかけた北海道地区予選が、2日に開幕する。日本野球連盟北海道地区に今季新加盟した創部1年目の東北海道サンライズが、初の公式戦に挑む。釧路に本拠地を置く平均年齢22歳の若いチームは、前田健児(たける)選手兼任監督(27=北海学園大)指揮のもと、初陣1勝を狙う。

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東北海道サンライズの初公式戦となるクラブ選手権道予選を前に、前田選手兼任監督は「弱いチームですが、変なプレッシャーもない。欲張らないで、まずは1勝を全員で勝ち取りたい」と意気込む。

前田監督は主将の堀籠史也投手(22=札幌大)らとともに、同じ釧路に本拠地を置くブレーブくしろでプレーしていた。「独立して選手主体でやって勝ちたい」と、環境などの変化も求め、昨年11月から新チーム結成へ動き始めた。チーム登録に必要な20人以上の選手を集めるため、SNSでの募集や練習会を行ってきた。2月に選手数を満たし3月に加盟申請。4月下旬に正式承認された。5月上旬には釧路公立大と初の対外試合を行った。

選手たちは仕事などの関係で札幌や弟子屈など道内各地に散らばっているため、練習試合を含む全体練習ができるのは多くて週に1度か2度。それでも、19日のオール苫小牧との練習試合では15-4で勝利するなど、個人練習の成果は出ている。主戦の堀籠は「少しずつ実感が出てきた。オープン戦の数も少ないですけど、公式戦がすごく楽しみですね」と気持ちを高ぶらせる。

平均年齢は22歳と若い。左打者で主に1番を務める山田裕一郎外野手(21)は、日本医療大の3年生。診療放射線技師を目指して勉強中だ。「名前の由来はイチローから来ている。僕が生まれた(01)年にメジャーデビューしたので、と父からそう言われました」。背番号51は「まだまだ経験不足ですが、チーム一丸となって戦っていきたい」。初陣は7月2日の栗山町民球場。帯広倶楽部に全力でぶつかっていく。【山崎純一】

◆道内社会人野球チームの変遷 日本野球連盟北海道地区には現在19チームが加盟している。ここ数年では18年に北海道ガス、昨年には北海ブルーウェーブが新たに参入している。08年9月の森倶楽部を最後に解散チームは出ていない。