阪神近本光司外野手(27)が大記録にまた1歩近づいた。4回に中前打を放ち、連続試合安打を「27」に伸ばした。球団単独3位に浮上し、プロ野球では歴代11位タイになった。

4回無死一塁、左腕福の内角高めの直球をとらえた。福のグラブをかすめるお手本のようなセンター返し。痛烈な打球が中前に抜けた。5月28日のロッテ戦から1カ月以上続くヒットパレードが止まらない。

先日、個人の記録について「ただ勝つために打ちますし、勝つために走ります。ただそれだけ」と話していた。だからまったく満足はできない。5回2死一、二塁で、代わった根尾に三ゴロに抑えられた。8回には2安打目を放ったが、次打者、佐藤輝の時に盗塁死。二盗を「決めた」がスライディングの勢いでオーバーランしてしまった。結果的にはその後、佐藤輝が二塁打、糸原の適時打で同点になった。盗塁で生きていれば、一気の逆転もあり得る局面だった。

6月1日西武戦から慣れない3番打者に入り、ちょうど1カ月。以来、打率3割6分8厘とチームの進撃を支えてきた。井上ヘッドコーチも「ずっと1番を打ってきたけど3番の自覚を持って、マッチしている。近本の3番を外すのは考えられない」と評価する。

矢野監督も3番として走者をかえす打撃を期待しながら「これだけ続くってなかなか難しいこと。高い目標の200安打を目指している。自分のモチベーションにしながらね」と個人記録を後押しする。

2日もHランプをともせば、球団2位の01年桧山進次郎に並ぶ。最長は11年マートンの30だ。プロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33試合で、あと6。大記録が迫っても、近本はチームのためにバットを振る。【柏原誠】

○…糸原が一矢を報いた。0-1の8回、2死三塁で中日セットアッパーのロドリゲスから中前に快打を放ち、同点とした。「ヤギ(青柳)が粘りの投球をしてくれたので、何としても追いつきたい一心だった」と低めのスライダーに食らいついた。青柳の負けを消す一打になったが、勝ちにつなげられず厳しい表情だった。

○…伊藤将が2週続けて竜斬りを誓った。2日の中日戦(バンテリンドーム)に先発する。前回6月25日は毎回の9安打を浴びながら粘りの投球で8回、115球、無失点で4勝目を挙げた。「前の試合と違った配球だったり、投球ができたら」と、投球パターンを変え、凡打の山を築く。中日戦は新人の昨年から4試合で3勝負けなし。「相性はいいと思う。自信を持って登板したい」と力強かった。

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