主砲が勝利へ導いた! 広島ライアン・マクブルーム内野手(30)が三塁打を放っていればサイクル安打となる3安打3打点で勝利に貢献。本拠地に詰めかけた3万超のファンを沸かせた。チームは前カードで首位ヤクルトに3連敗。対戦カードが2位巨人に変わり、まずは初戦をとった。2位とのゲーム差は1・5に縮まった。

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内角低めをついた141キロの速球を、マクブルームが豪快に左中間席へ放り込んだ。5回2死三塁。自身10戦ぶりの8号2ランだ。「リラックスして打てる球だけを狙っていた。コンパクトにしっかりとらえることができた」。手応え十分のダメ押し弾にニヤリとほほ笑んだ。

「コンパクト」を養った秘密兵器がある。普段のバットに比べて極端に小さく、そして太いバット。試合前にティー打撃などで使うことがある。「短いバットを使って短い軌道でコンパクトにコンタクトする目的で。自分自身への意識付けや、正しいスイングを思い出させるためにやっている」。左手1本や右手1本でスイングすることで最短距離でインパクトする軌道が身につくという。地道な練習が値千金の大きなアーチにつながった。

1回2死二塁では左前先制適時打。4回は左中間へ二塁打を放ち、5回には豪快弾。三塁打を打てばサイクル安打を達成していたほどの活躍だ。「三塁打は自分にとって一番きつい。ノースピード。またチャンスがあれば」と笑って次の機会をうかがう。

チームは前カードで首位ヤクルトに3連敗。中でも主砲村上に2戦で3発を放り込まれるなどして敗れた。しかしこの日はコイの主砲が大暴れ。「自分の前に出た走者をかえすことに集中できている。相手はライバルチームのジャイアンツ。初戦が取れて特に大きな試合になった」。助っ人が3万超のファンを大いに沸かせた。【前山慎治】

▽広島佐々岡監督(3安打3打点3得点のマクブルームに)「いい時は固め打ちができる。1打席目のヒットが大きかったのかな」。

○…今季スタメン3度目の広島羽月が適時三塁打で期待に応えた。「7番左翼」で出場し、2-1の4回2死二塁から左中間へ。前進守備の外野の間を裂き、三塁を陥れるとガッツポーズで大きくほえた。「なんとか(二塁走者)マクブルームをかえそうと思った。ライバルばかりで負けていられない。毎日必死でやっている」。6回無死一塁の左前打と合わせて今季初の複数安打とした。

○…広島先発大瀬良は6回3失点で7勝目をつかみ、床田にならぶチームトップの勝利数となった。序盤からカーブを多投し巨人打線を翻弄(ほんろう)した。5-1の6回には四球と連打、味方失策も絡み2点を失ったが試合はつくった。「なんとかチームの連敗を止められて、勝てたことが一番良かった。自分に勝ちをつけてもらった」。エースが自身の登板日に連敗を「3」で止めた。

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