BIGBOSSが混パもプロデュースする。最下位の日本ハムが首位ソフトバンク相手に敵地で3年ぶりの同一カード3連勝を決めた。

新庄剛志監督(50)は9日と同じ上位打線を組んで得点を奪いながら、高卒ルーキーの阪口楽内野手(19)を「9番DH」で1軍デビューさせる硬軟織り交ぜた采配。チームは今季2度目の4連勝を飾った。この勢いで楽天、西武と続く上位勢との次カード以降も、ペナントレースをかき回す。

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新庄監督も興奮した。「いやぁ楽しかった」。2点リードの9回2死満塁の大ピンチ。代打松田の三遊間へのゴロを、途中出場の三塁谷内が横っ跳びで好捕。間一髪で一塁も間に合った。試合終了と同時にBIGBOSSはベンチを飛び出してガッツポーズした。「松田君が出てきて球場が1つになって。あの雰囲気が大好き。そこで、うちの谷内君がいいプレーを見せてゲームセット。面白いゲームをしてくれた、よっしゃーという感じ」。大好きな展開での幕切れで、首位相手に3タテを食らわせた。

まいてきた種が芽を出し、徐々に花開きつつある。この日は1番から松本剛、上川畑、近藤、野村、清宮までの打順を9日と変えなかった。確かな結果を残し続ける5選手が躍動したのが、6回の2点だった。捕手陣は3連戦全てスタメンを入れ替えながら、相手打線を翻弄(ほんろう)。投手陣も生き残りに必死の好投が続いた。

新庄監督 うちの選手は間違いなく変わってきてますよ。目の色が変わって気持ちが前に出ている。で、この結果につながった。

新たな種まきも忘れていない。「9番DH」で高卒新人の阪口をプロ初出場初スタメンで起用した。「本当は昨日、出そうと思っていた。そしたら両親が今日来るということで(スタメン予定を)変えました」とニヤリ。粋な計らいに応えるように、阪口は両親の前で7回にプロ初安打。「おめでとうですね」と祝福した。

多くの選手を試しながら、戦えるチームの輪郭ができつつある。阪口について「あとはもう経験。人って、使うしかない。それ以外ない」と発した言葉はそのまま、BIGBOSS流のチームづくりに通じる。

チーム3年ぶりとなる敵地での同一カード3連勝で、今季2度目の4連勝。最下位ながら、首位ソフトバンクとの対戦成績は8勝7敗となり、唯一の勝ち越しと珍現象まで起こした力は他球団も侮れない。13日からは楽天、西武と上位勢とぶつかる。この勢いで、BIGBOSS率いる日本ハムがドラマチックなペナントレースを演出する。【木下大輔】

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