半分なくなった眉毛のように、スパンと気持ちを割り切った。オリックス紅林弘太郎内野手(20)が2-2と同点に追いつかれた直後の8回に勝ち越し4号ソロを左翼席に運んだ。

V弾に「あぁ、入ってる!みたいな感じ。あんまり…。フワフワしてたんで、一塁ベースまわったぐらいで、ああ(スタンドに)入ったみたいだな」と感触を思い返した。

ニコニコの20歳だが、両眉が途中までしかない。尋ねると「全然、生えてこないです…。夜7時くらいに寮のお風呂に宮城と一緒に入っていたんですよ」と下を向いた。鏡の前で眉毛を整えていたところ「電気を消されて、あいつに!真っ暗で、ピッてやったら(眉毛が)なくなっちゃって!」と大爆笑を誘った。

何が起きてもへこまない強心臓で、右眉だけが半分だとバランスが悪いと思い「こっち(左)もなくそう!って。両方、なくなりました」と満面の笑みを浮かべた。

無邪気な若武者だが、今季4号に「シーズンが始まるまで、もっと打ってたイメージだったんですけど、そんなに甘くない」と口をつぐんだ。「悔しくなるから」と他打者の映像は見ない。「自分の映像も見ないです。試合、練習でたくさんバットを振って感覚を」と前を向く。

中嶋監督は愛弟子の決勝弾に「勝手に(状態が)沈んでいくからね。ケツたたいてでも維持、それ以上を出さないといけない」と愛のムチを入れた。

2カード連続勝ち越しで借金2。5位ながら首位まで4・5ゲーム差に急接近。昨季王者の奮闘は止まらない。【真柴健】

○…オリックス4番の吉田正が右翼スタンドに9号先制2ランを放った。4回無死一塁で、ソフトバンク先発レイの初球148キロを捉え、痛めている左足を気にすることなく、ダイヤモンドを回った。「しっかりと自分のスイングができました!」と充実感を漂わせた。2回に右安打を放った後には、二盗にも成功。左足の状態も上がってきた。

▽オリックス山崎福(7回2失点で今季3勝目)「調子もよかったですし、立ち上がりから良いリズムとテンポで自分らしい投球ができていたと思いますが、最後の7回のホームランのところで甘く入ってしまったことは反省しないといけません」

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