ロッテ球団職員の谷保恵美さん(56)がロッテ-ソフトバンク13回戦で、主催試合の場内アナウンス担当として通算2000試合に到達した。

5回裏終了で試合が成立すると、場内ビジョンにも2000試合達成が表示。放送室の谷保さんが映し出されるとロッテファンだけでなく、ソフトバンクファンや両軍ベンチも大きな拍手を送った。

北海道・帯広市出身の谷保さんは帯広三条高、札幌大女子短大などを経て、90年にロッテオリオンズに入社。朗らかな声は「サブローーーーーー」のアナウンスで野球ファンに一躍有名になり、今季で32年目を迎えている。この日はその球団OBサブロー氏らから、祝福の花が届いた。

帯広三条高などを監督として甲子園出場に導き、野球に興味を持つきっかけになった父の直政さん(享年87)が、今年5月に逝去。「2000試合の日は見に行きたいな」と話していたという亡き父に代わり、この日は弟の寿彦さん(50)が遺影を持ち、スタンドから見守った。

川崎球場の本拠地最終年に場内アナウンスでデビューし、球団の千葉移転後は本格的に1軍公式戦のアナウンス担当に着任。休むことなくアナウンスを続ける鉄人ぶりも話題になり、連続試合担当もこの日で1794試合に。谷保さん自身も6月下旬の日刊スポーツのインタビューでは「一番はやっぱり、今まで『この試合、担当ね』っていう試合の穴を開けていないのは良かったなと思いますね。それは頑張ってきたなと思いますね」と話していた。

今年4月10日のオリックス戦で、佐々木朗希投手(20)の完全試合もアナウンスした。試合後に大記録を伝える放送では、少し声が震えた。「自分もそこに立ち会っている喜びと、それをみんなで共有しているっていうのが一番うれしかったんです」。単なる放送にとどまらない、球場の空気を丁寧に伝えるアナウンスが、プロ野球ファンからの大きな支持を得ている。【金子真仁】

【ニッカン式スコア】17日のロッテ-ソフトバンク戦詳細スコア