コロナ禍のヤクルトが巨人に競り勝ち、連敗を6で止めた。プロ2度目の先発となる小沢怜史投手(24)が、最速151キロの直球を軸に6回5安打無失点で2勝目をマーク。連敗中6戦で41失点していた投手陣を救い、チームに7日巨人戦以来の白星をもたらした。「チームも苦しい状況ですけど、僕自身もアピールしていかないといけない立場なので、絶対に抑えてやると思ってマウンドに立ちました」と振り返った。

6月26日に支配下登録されたばかりの横手投げ右腕が流れをもたらした。1回1死からの4者連続を含む7奪三振をマーク。初先発初勝利を挙げた3日DeNA戦に続くお立ち台では「走者を出しても守備が本当にいいプレーしてくれて。特に(5回無死一塁から)武岡のゲッツーとか本当に助かったので、それで0で抑えられたと思います」とバックに感謝した。守護神マクガフからもらった2勝目のウイニングボールは、そのまま松元監督代行へプレゼント。「『ありがとう。ナイスピッチング』と言ってもらえたので良かったです」と笑った。

チームは8日から15日にかけて、高津監督をはじめ1、2軍で合計29人が新型コロナに感染したが、長岡、内山壮、奥村ら感染者が戦列復帰し、キャプテン山田も1軍練習に合流。サンタナも左半月板手術から復帰するなど戦力も戻りつつある。20日も勝ってDeNAが敗れれば、優勝マジック「44」が再点灯。燕ファミリーが長い低空飛行から上昇の兆しをつかんだ。【鈴木正章】

◆小沢怜史(こざわ・れいじ)1998年(平10)3月9日、静岡県生まれ。日大三島から15年ドラフト2位でソフトバンク入団。17年8月24日西武戦でプロ初登板。18年オフに首の故障で育成契約。20年に戦力外を受け、21年からヤクルトで育成選手としてプレー。今年6月26日に支配下契約を結び、同日巨人戦で5年ぶり1軍登板。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸600万円。

○…高卒3年目の武岡が攻守で躍動した。6回2死満塁で二塁適時内野安打でプロ初打点を挙げるなど、初の3安打をマークし「まさか猛打賞とは思っていなかったので、素直にうれしいです」。5回無死一塁の二塁守備では、巨人北村の中前に抜けそうな打球に飛びついて併殺を完成させた。初の本拠地お立ち台では「背番号60の武岡です。長岡とは間違えないでください!!」と自己紹介。同学年で今季遊撃の定位置をつかんだライバルに負けじとアピールしていく。

▽ヤクルト松元監督代行(代行指揮で初勝利し連敗ストップ)「連敗が続いて苦しかったが、選手たちは毎試合全力プレー。今日も全員で何とかしてやろうという姿勢が良かった」

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