コロナ禍に揺れながら異例の夢舞台が幕を開ける。プロ野球「マイナビオールスターゲーム2022」の第1戦が26日、ペイペイドームで行われる。25日には全セのヤクルト村上宗隆内野手(22)と全パのロッテ佐々木朗希投手(20)が福岡市内で行われた前日イベントに参加。佐々木朗が先発予定の第2戦(27日、松山)での直接対決に夢を膨らませた。今回の球宴は新型コロナ陽性判定でセ・パ合わせて9人が辞退。この日新たに9人の補充メンバーが発表された。日本球界の投打の若き宝が、辞退者続出の球宴を盛り上げる。

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村上が佐々木朗に“直球”を投げ込んだ。球宴で対戦したいパ・リーグの投手を問われて即答した。

村上 隣に佐々木君がいますけど、佐々木君と対戦したいなと思っています。

右隣に座っていた佐々木朗も、意欲的に返した。

佐々木朗 アウトにできるように頑張ります。

過去に対戦は1度ある。昨年6月10日の交流戦(ZOZOマリン)。2回に実現した初対決で、村上が佐々木朗の151キロ直球を捉えて右中間へ18号先制ソロを放った。4回の第2打席は142キロのフォークに空振り三振、6回の第3打席は四球だった。

夢の舞台で約1年ぶりの対戦。完全試合も達成するなど昨季からスケールアップした佐々木朗は自己最速も164キロまで更新。巨人ビエイラが昨年マークした球宴史上最速163キロの更新の期待もかかる。

佐々木朗 狙って出せるものではない。シーズン同様に投げて更新できたら。

その相手が村上となるのか-。佐々木朗は「そうですね…ストレートを投げるか分かんないですけど」とニヤリ。一方の村上は「たぶん打てないんで。思い切って振ります」。第2戦で実現しそうな対決へ、イメージを膨らませた。

豪快な打撃、圧倒的な投球で狙うのはMVPしかない。村上が「もちろん、狙いたい。お金、欲しいっすね」と堂々と宣言すれば、佐々木朗も「僕もMVPが欲しい。しっかり全員、抑えられるように頑張ります」。来春WBCでも投打の中心となりそうな2人が、真夏の祭典で夢を見せてくれる。【木下大輔】

 

◆オールスターの球速 21年ビエイラ(巨人)がマークした163キロが最速。メットライフドームで163キロを4球計測した。日本人最速は14年大谷(日本ハム)が甲子園で2球マークした162キロ。他に160キロ以上を計測したのは、08年クルーン(巨人)の161キロがある。

◆年少バッテリー 佐々木朗は20歳8カ月。同じロッテの松川捕手(18歳9カ月)とのバッテリーが予想される。松川は史上初めて高卒新人捕手での選出。過去のオールスターでともに20歳以下のバッテリーは、57年第2戦で全パの6番手稲尾和久投手(西鉄=20歳1カ月)と、途中出場の山本八郎捕手(東映=19歳9カ月)が組んだ1例だけ。