1球に泣いた。0-0の8回2死一、二塁。阪神伊藤将司投手(26)の105球目だった。DeNA牧を2球で追い込み、選択したのは直球。内角142キロを左翼フェンスにぶち当てられた。

「勝負球だったんで、牧がうまく打ったという感じです。梅さんと話して、勝負にいく時はいくでハッキリしていた。ああやって打たれたら仕方ない」

体を回転させ快音を響かせた相手4番に脱帽。左翼江越の悪送球も重なり2点を献上した。続く宮崎にも左前適時打を浴び8回3失点、自責0。「浜口さんも0点でいってたんで、負けられなかった」。8回無失点の浜口との投げ合いに敗れ、自身連勝は7でストップ。5月29日以来、約2カ月ぶりの今季3敗目を喫したが、コロナ禍のチームを鼓舞する堂々の内容だった。

打たれた内角直球は、この日の生命線だった。「真っすぐで押していったのが、中盤以降、うまく逆に変化球も使えた」。矢野監督もたたえる配球で、今季4度目の対戦となったDeNAを翻弄(ほんろう)。「これだけ戦ってくるといろんなデータもイメージもある。そこを崩していけた要因」。ライバルの対策を上回る進化を見せた若き左腕エースに目を細めた。

横浜高時代から慣れ親しんだ横浜スタジアムでの今季初登板。スタンドからは父・正宏さん(52)が見守ったが、勝利を届けられず。無念は次回登板で晴らすしかない。【中野椋】

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