日本ハムが両リーグ最速の60敗目(43勝)を喫した。ロッテ15回戦(ZOZOマリン)は9回に1点差を追いつく粘りを見せたが、その裏を守りきれず、今季5度目のサヨナラ負けとなった。それでも、新庄剛志監督(50)は前カードの首位西武との3連戦に続く、最後まで分からない熱戦を繰り広げた選手たちの戦いぶりを評価。手応えいっぱいの敗戦に、悲壮感はなかった。

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BIGBOSSは試合後、さわやかに切り出した。「岡くん、ナイスバッティングやね」。3時間51分の熱戦に終止符を打たれた、元日本ハムのヒーローをたたえた。もちろん、勝てなかった悔しさもにじませた。「なんとかね、もうちょっと延長で…」。1点を追う9回は、2死無走者の状況からロッテ守護神の益田を攻めて同点に追いついた。延長に持ち込めば、いい流れのままに勝ちきれる可能性を感じていたはずだ。

最後の結果は、前カードの熱戦の代償でもあった。新庄監督は「今日は(2連投中だった)北山くんも玉井くんも井口くんも上がり(お休み)だった」と、試合後に明かした。

ベンチ入りしていた中継ぎ投手は9人だったが、実際に投げられる準備をしていたのは6人。先発ポンセを4回で交代させ、5回以降は古川侑、北浦、吉田とつないで9回はロドリゲス。この時点で残りは望月とメネズだけという状況だった。その中で、ロドリゲスが高部に出塁を許した。7月5日の対戦で悠々と二盗を許していた相手だったが、継投の選択肢は選べずに続投。「クイックがうまくないので(高部が)セカンドに行って、さぁどう3アウトを取ろうか、というところ」だったが、捕手清水の悪送球(記録は失策)もあり、最後は押し切られる形となった。

それでも、BIGBOSSは手応え十分に語った。

新庄監督 面白い。こういうゲームを昨日も、その前も、その前もやってるんで。精神的な成長は、かなりできていると思います。いや、よくやってますよ。

多くの選手たちを1軍の舞台で経験を積ませてきた布石が、誰が出ても粘り強さを発揮できる、今の強みとなって生きている。「やったことは間違ってなかったな」。成長著しい日本ハムが、混パをまだまだかき乱す。【木下大輔】

 

○…9番で全2打点を挙げた万波は「サヨナラ負けにはなったけど、追い付くことが出来たのは良かった」。2点を追う5回、逆風を貫く12号ソロをバックスクリーン左へ運ぶと、9回2死二、三塁からは同点の左前適時打。前日11日、ボールの見方について高校の先輩にあたる近藤の助言を仰いだ。「目からウロコ。助言が生きて今日の結果につながった」と、感謝していた。

○…先発のポンセは4回4安打2失点。2回1死一塁から、ロッテ茶谷に許した左越え2ランが悔やまれた。風速10メートルを超える強風の中、3四球と制球が定まらず、4回までに要した球数は95球。1度は5回のマウンドに上がったが、投球練習の前に交代となった。9回に味方が追いつき勝敗は付かず。「四球が増えて、結果的に球数が多くなってしまった」と反省していた。

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