“コロナショック”。広島がヤクルト19回戦(神宮)でリーグ最多28度目の逆転負けを喫した。投打の主力に新型コロナ禍による離脱が相次ぐ中、試合前に秋山が発熱のため特例2022で出場選手登録を抹消。4番マクブルームの先制3ラン、先発森下の粘投も報われなかった。5連敗で借金は今季最多7に膨らみ、5位転落となった。

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勝利で“コロナショック”を和らげることはできなかった。2点リードした6回。2番手ケムナが1死二塁から無安打だったキブレハンを歩かせ、リーグ3冠の村上を迎えた。3番手島内にスイッチするも、渾身(こんしん)の153キロを右翼席上段へ。悪い流れが逆転負けを招いた。

監督代行を務める河田雄祐ヘッドコーチは敗戦投手となった島内を責めようとはしなかった。「今日はやられたけど、この次やりかえすという気持ちを忘れないでいてほしい」。投打ともに主力を欠くチーム状況に苦慮する。この日は打線をけん引していた秋山も発熱のため出場選手登録を外れた。前回3連勝した9日からのヤクルト3連戦のスタメンから5選手を欠く窮地だ。

代役を務める若手も奮闘を見せているものの、2点差に迫られた5回は無死一塁で羽月がバント失敗(捕邪飛)。1点を追う9回は相手のミスから1死三塁に広げた直後、中村健が1ボールから捕邪飛に倒れた。

中継ぎも離脱直前までセットアッパーを務めた矢崎不在が響いている。20日DeNA戦に続き、この日も継投が裏目となった。逆転負け28度はリーグ最多。4番マクブルームの先制3ランも、先発森下の粘投も、報われなかった。何より先発の大黒柱を立てての敗戦は、あまりにも痛い。

秋山はPCR検査で新型コロナウイルスは陰性だったが、25日ヤクルト戦まで出場を見合わせる見込みとなった。菊池涼や野間らの合流も週末以降を予定する。河田監督代行は言葉に力を込める。「何とか、とにかく、しのぐしかない。投手も頑張ってくれているしね。情けないという感じじゃない。みんな必死こいて頑張っている。ゲームは勝敗がつくもの。負けたら力がないので。また頑張ってくれるでしょう」。上位争いにしがみつくためにも、総力戦で逆境を乗り越えていかなければいけない。【前原淳】

○…島内が相手主砲村上に痛恨の逆転3ランを許した。2点リードの6回に2番手ケムナが1死一、二塁としたところで救援。内角高めの153キロは右翼席中段まで運ばれ、逆転された。「悪いコースではなかったがもっと厳しく投げないといけなかった。1ストライクでカウント有利だった分、勝負を急ぎすぎた」。3敗目を喫し、うつむいた。

○…先発森下の11勝目はお預けになった。5回2失点と勝ち投手の権利を得て後続に託したが、逆転負け。2試合連続完封で迎えた今回は、4回2死満塁で山崎に左前適時打、5回1死満塁で長岡に中犠飛を許し「今日に関しては(状態は)全然ダメだった」。5回で98球を要して5回での降板に「カード頭で、後ろの投手に申し訳ない」と平身低頭だった。球団史上初の3戦連続完封と自身のキャリアハイ更新を逃した。

○…マクブルームの豪快な2戦ぶり14号3ランは空砲に終わった。1回1死一、二塁で3ボールから石川の高め直球を左翼席へ。「シーズンが進むごとに対策をつくっている。以前対戦したことを振り返ってアプローチした」。6月19日にも石川から7号ソロを放っており、得意の相手。勝利にはつながらなかったが59打点と14本塁打でチーム2冠の主砲は存在感を見せた。

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