<ロッテ2-0楽天>◇26日◇ZOZOマリン

東北のDNAが人知れずつながった。22日、夏の甲子園で仙台育英(宮城)が東北勢初優勝。3年前には岩手・大船渡高で全国を目指していた佐々木朗は「頑張ってると思うので、はい」と話すにとどめたが、彼の歩みは確実に次世代へと受け継がれている。

8年8カ月前、13年12月にさかのぼる。東日本大震災で被災した三陸の少年野球チームによる大会「リアスリーグ」の決勝戦が、当時のQVCマリンフィールドで行われた。猪川野球クラブの朗希少年はその日、初めてマリンのマウンドを踏んでいる。

前夜に大船渡市役所をバスで出発し、車中泊で訪れた。早朝の到着で、まだ球場に入れない。当時のチームメートの母親が、暇を持てあました子どもたちの光景を鮮明に覚えている。

「小さい子たちが付き添いで5~6人、一緒に来ていて。うちの子とかが朗希君たちお兄ちゃん組のマネをして、野球ごっこを始めたんです」

松の木の太い枝がバット。ボール代わりを探せば、マリン周辺に松ぼっくりが無数に落ちていた。投げて打ってワイワイして。

「なんだか、すごく良いシーンで。あの雰囲気は今でも忘れません。野球が大好きだっていう思いが、こうやって大船渡の次の世代にどんどんつながっていくんだなって」。

松ぼっくりを追い掛けて、スタンドで朗希お兄ちゃんたちを応援していた子どもたちの1人が、当時小2の仁田陽翔君。背番号17、仙台育英の左腕として東北の夢を1つかなえた。【金子真仁】

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