40分間に渡った降雨中断の直後、強い雨がヘルメットをたたいていた。

すでにリードは7点。それでも阪神大山悠輔内野手(27)は集中力を切らさなかった。

「投手が代わることも考えて。中断の時から準備していました。1球で仕留められて良かったです」

6回裏1死三塁。試合再開時から登板した塹江の初球145キロ直球を振り抜き、ライナーで左中間芝生に水しぶきをあげさせた。

0-0の3回2死一、二塁では三遊間を破り、先制点をたたき出していた。1ボール1ストライクから野村の93キロスローカーブを我慢しての強振。そして、降雨コールド勝利の直前にはダメ押しの快音だ。

これで自身2年ぶり2度目の80打点、4年連続100安打に到達。新型コロナウイルス感染から復帰後、12試合で打率4割1分9厘と好調をキープしている。

「打席に入る時に迷ってしまったら意味がない。しっかり決めて入るようにしています」

広島3連戦の初戦は8回に決勝アーチ。2戦目は同点打を2本。3戦目は先制&決勝打を含む適時打2本。8戦連続安打、3戦連続打点と勢いが止まらない。

気がつけば、昨季2割5厘に終わった得点圏打率は今季3割1分2厘。「もっと上を目指さないと」と満足しないが、昨季からの進化は誰の目にも明らかだ。

プロ6年目、9月の通算24本塁打、78打点は月別で断トツ。矢野監督は「多分、キャンプが始まる頃の目標でも100ぐらいをあげている。そこまでいける打者だと思う」と期待する。

今年も「秋の大山」の季節が訪れる。【佐井陽介】

▼大山が3回に先制打、6回にはダメ押しの適時打で計2打点。大山が打点を挙げればチームは、8月2日巨人戦から7連勝。また、9月通算の24本塁打、78打点は月別トップと9月に強い。18年9月16日DeNA戦では6打数6安打、3本塁打、7打点もマークしている。

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