ヤクルト村上宗隆内野手(22)は、三塁を蹴る前に中日の中堅岡林が捕球したことを知った。1-5の9回、先頭でこの日3安打目となる右前打。そこから2死一、二塁としたが、最後は長岡のいい当たりも外野手の正面に飛んだ。二塁から走った村上だったが、試合終了に口元をキュッと引き締め、ベンチへ引き揚げた。

前日に史上最年少の22歳でシーズン50本塁打に到達。プロ野球史を塗り替えた。連日の1発は生まれなかった。それでも、存在感は変わらない。2回先頭で二塁打。4回無死一塁で中前打、そして9回とチャンスメークを重ねた。ただ、後が続かない。計7イニングで先頭が出ながら1点のみ。連勝は5で止まった。高津監督は「先頭は出るが得点圏になると出ない。その差だと思います。点が入る、入らないは」と嘆いた。

打線のつながりに必要なものを象徴する場面があった。4回、村上の中前打で一塁走者の山田は一気に三塁へ。それを見た村上は両手をたたいて喜んだ。続くオスナの痛烈なライナーは小笠原の好守に阻まれ無得点だったが、本塁打だけが得点の手段ではない。つないで、走って、好機を広げる。打率をさらに伸ばし、3冠王へ走る村上の姿が語っていた。【古川真弥】

◆ヤクルトのM点灯 ヤクルトの優勝マジックナンバー再々点灯は最短で6日。ヤクルトが4日中日戦、6日阪神戦に連勝した場合、DeNAが連敗するか1敗1分けでM15が出る。

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