首位ヤクルトがエース小川泰弘投手(32)の投打にわたる活躍で、2位DeNAを下し、優勝マジック「11」を再々点灯させた。

5回2死三塁、DeNA大貫から唯一の得点となる中前適時打をマークすると、投げては7回5安打無失点で今季7勝目を挙げた。最短で18日にも2年連続のリーグ優勝が決まる。

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9回2死二塁のピンチ。DeNAソトの痛烈な打球を、村上が188センチの長身を伸ばしてジャンピングキャッチ。勝利の瞬間、ベンチで見守っていた小川は「興奮して叫びました」と喜びをあらわにした。

大事な一戦で投打に集中力を発揮した。5回2死三塁の打席では、大貫の4球目、内寄りの143キロ直球を捉え、中前に値千金の先制打。「必死に振りにいった結果が、外野の前に落ちてくれて良かったです」。6月3日西武戦の5回にもチーム唯一の得点となる1号ソロを放ち、1-0勝利の勝ち投手となっている。緊迫した展開に「何とかしたいなと。やっぱり0-0とか、すごい集中して振れたと思います」と、バットで再び結果を示した。

本職の投球では、球速帯の違う2種類のチェンジアップと140キロ台中盤の直球で緩急を駆使し、DeNA打線を翻弄(ほんろう)。「とにかく攻める気持ちで投げていきました。真っすぐもそんなに速くないので、速く見せられるように工夫しながら投げられたと思います」とうなずいた。

高津監督の信頼に応えた。7回2死二、三塁の追加点のチャンスで打順が回ったが、代打は送られなかった。三ゴロに倒れ追加点こそ奪えなかったが、その裏を3者凡退に抑えて流れを寸断。「自分が7回まで投げることが勝つ確率が上がる。そういう采配だと思って、責任を持って、なんとか最後まで力を振り絞った」と言う。ナイターで4時間17分を戦った翌日のデーゲーム。「昨日の試合がキツい試合だったですし。なんとか自分が引っ張れればなという思いは強かった」とうなずいた。

主砲村上は3打数無安打1四球に終わったが、冷静な選手会長がチームを救った。7月29日にいったん消滅した際に「41」だったマジックは、「11」となって再点灯。チームスワローズが、2年連続の頂点へ、いよいよラストスパートに入る。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(小川の好投に) 今日は小川のゲームだと途中で腹をくくりました。チャンスで(打席が)回ってきても、7回まではしっかり投げ切らそうと思ってました。

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