阪神糸井嘉男外野手(41)の今季限りでの現役引退が12日、発表された。糸井はこの日の午前中に、兵庫・西宮市のホテルで引退会見を開いた。タテジマのユニホームを着て登場し、冒頭のあいさつで「このたび、糸井嘉男は現役を引退することに決めました。今まで本当にありがとうございました。昨日泣きすぎて一睡もしてないので、今日は泣きませんのでよろしくお願いします」と、ハキハキと言葉を発した。

 

<糸井の歩み>

◆ドラフト 近大から03年ドラフト自由枠で投手として日本ハム入団。

◆野手転向 1軍戦登板がないまま、06年4月に外野手転向。当時の高田繁GMの勧めで決断。

◆1軍デビュー 07年3月27日オリックス戦(京セラドーム大阪)で「8番左翼」でスタメン出場し、3打数無安打だった。

◆月間MVP 09年6月に打率3割9分1厘、11試合連続安打やリーグ1位タイの6盗塁で初受賞。6年目での初栄冠に「正直びっくり。こんなに名誉ある賞をいただいて感謝しています」。

◆視力2・0 11年オフに視力1・5からレーシック手術を受け、視力2・0を獲得。「それで手術を受ける人はほとんどいない。本当に受けるんですか」と担当医を仰天させた。

◆トレード移籍 13年1月に大型トレードで糸井と八木智哉投手がオリックスへ。木佐貫洋投手、大引啓次内野手、赤田将吾外野手が日本ハムに移籍。

◆最高出塁率 日本ハム時代の11年と12年、オリックス時代の14年に獲得。11年は4割1分1厘、12年は4割4厘、14年は4割2分4厘で計3度受賞。

◆オールスター投票トップ選出 13年と14年に2年連続でファン投票両リーグトップ選出。13年札幌ドームでの第1戦では、4打数2安打1打点で敢闘選手賞を受賞した。

◆首位打者 14年に打率3割3分1厘で初の首位打者を獲得。

◆盗塁王 オリックス在籍最終年の16年に53盗塁をマークし盗塁王獲得。35歳シーズンでは、当時のプロ野球最年長だった。

◆ベストナイン 日本ハム時代の09、11、12年、オリックス時代の14、16年に外野手として計5度受賞。

◆ゴールデングラブ賞 日本ハム時代の09~12年、オリックス時代の13、14、16年に外野手で受賞。

◆FA宣言 16年オフに宣言。当時の金本知憲監督が交渉で「初めての恋人」とラブコールを送った阪神に、推定年俸4年総額18億円で移籍。

◆通算300盗塁 21年9月11日広島戦(マツダスタジアム)で達成。436日ぶりの盗塁で、「諦めたって言ったらおかしいけど、1年半くらいリーチかけてからできなかったんで…」と本音も。史上最年長40歳1カ月での到達だった。

◆故障 日本ハム時代から度重なる故障に悩まされた。阪神入団後は17年春季キャンプ前に「右膝の関節炎」で古傷の再発。6月には「左太もも裏の軽い筋挫傷」。7月に「右脇腹の筋挫傷」。19年は左足首付近の腱(けん)を損傷し「左足首の関節鏡視下クリーニング術及び靱帯(じんたい)補強術」を受けた。