昨季王者のオリックスが執念を見せた。同点に追いつかれた直後の9回、先頭の紅林が二塁打でチャンスを作ると、2死三塁から1番福田がサヨナラセーフティーバントを決め、試合を決めた。

負ければ優勝を逃す1戦で神走塁が生まれた。同点の8回2死一、三塁、相手バッテリーのミスに、三塁走者の宗佑磨が素早く反応。本塁にヘッドスライディングを決め、一時勝ち越しに成功した。

勝てば優勝の望みをつなげる1戦。先発したエース山本由伸投手(24)が7回110球7安打2失点の粘投で、試合を作った。今季初の中5日でのマウンドに、ときおり制球が乱れるシーンも見られたが、なんとか立て直した。

同点の8回には2番手で、今季限りでの現役引退を表明している能見篤史投手兼任コーチ(43)がマウンドへ。ロッテ安田を空振り三振に仕留め、花道を飾った。

これで貯金を再び今季最多タイの10とし、残り1試合。首位ソフトバンクの優勝マジックは「1」となったが、悲願の連覇へ、人事を尽くして天命を待つ。

○…エース山本が意地を見せた。今季初の中5日で7回を110球、7安打2失点にまとめた。だが納得はいっていないようで「なんとしても勝たないといけない試合で、リードを守り切れず(7回に)追いつかれてしまって悔しいです」と反省の言葉を並べた。10三振を奪い、今季205三振に到達。最多勝など、2年連続先発のタイトル総なめが見えてきた。

▽オリックス福田(9回2死三塁からサヨナラセーフティーバント)「(考えたのはカウントが)ノースリーになってからですね。相手チームは、まさかバントしてくるとは思ってなかったと思う」