日本ハム伊藤大海投手(25)が4日、侍ジャパン栗山英樹監督(61)の初陣となる11月の強化試合4試合の代表メンバーに選出された。

来春開催の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場へ向けて大きなアピールの機会を得た道産子右腕は、全力を尽くすことを宣言した。この日から千葉・鎌ケ谷の2軍施設で始まった秋季練習に参加。金メダル獲得に貢献した昨夏の東京五輪に続いて、日の丸を背負う準備を進めていく。

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伊藤が再び、侍ジャパンのユニホームに袖を通す。「うれしいです。素直にうれしいです」。指揮官は日本ハム前監督で、プロ1年目から飛躍のきっかけを与えてくれた栗山監督だ。「また一緒に野球をできることはうれしいことですし、その期待に応えたい」と、背筋を伸ばした。11月の強化試合4試合は、来春WBCへ向けた試金石となる。出場を目指す伊藤にとっては大事な“トライアウト”の場。「そこのアピールにも十分になると思うので、全力を尽くして頑張っていきたいと思います」と、意欲的に話した。

昨夏の東京五輪では、マウンド上での“追いロジン”姿も注目されるなど、存在感を発揮した。栗山監督の初陣で再び注目される舞台で、今回はBIGBOSS改め新庄監督から力強い後押しをもらった。「追いロジンもあれですけど、ビッグボスが『好きなことやってきていいよ。何かあったら、俺が怒られるから』と(笑い)」。思う存分、いろいろと暴れてきなさいというメッセージを受け取ったが、伊藤は「何も、やんないですよ」とニヤリ。見せたいのは、栗山監督の心に刺さる快投だけだ。

11月5日は日本ハムとの強化試合が組まれており、多彩な奇策を用いる新庄監督の采配と“対戦”する可能性もある。「僕のところで(奇策を)仕掛けてくれたら。それを逆手に取ってやろうかな」と、BIGBOSS野球を封じてアピールする気構えもできている。「強化試合とはいえ、その立場に行けることはすごくうれしく思うので、思い切って自分らしい投球をしたい」。WBCでは3大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパン。そのために伊藤が必要な戦力であることを、1カ月後に証明する。【木下大輔】

○…日本ハム近藤も昨夏の東京五輪に続いて侍ジャパンに選出された。「栗山監督率いる日本代表に選出されたことを大変光栄に思います。札幌ドームでの試合もあるので、そこでプレーできる喜びもあります。自分の役割をしっかりと果たし、チームに貢献できるよう全力で頑張ります」とコメントした。11月9、10日のオーストラリア戦は今季限りで本拠地の役目を終えた札幌ドームが舞台。慣れ親しむ同球場での“ラストプレー”も楽しみにした。