西武山川穂高内野手(30)が、奥の手を内に秘め、クライマックスシリーズ(CS)に臨む。3位での出場に向け5日、本拠地ベルーナドームで最後の調整を行った。

8日から始まるソフトバンクとのファーストステージに「辻監督も言っていた通り、失うものはない。気持ちの勝負になるのかなと思います」と、シーズン41本塁打の4番は下克上へ気持ちを高めた。

3年ぶりのCSに、過去の経験を思い返した。19年CSファイナルでソフトバンクに4連敗。短期決戦とあり、先発投手に代えて次々と救援陣を送り込む継投に、手を焼いた。一方で山川自身は打率3割8分5厘、1本塁打と奮闘。今回は、初戦に難敵・千賀との対決が濃厚で「1回打席立って1球見て、これ無理だと思ったら(バットを)短く持ちます。(相手捕手)甲斐にばれないように」と、本塁打王としては、おきて破りの禁じ手も念頭に置きながら準備する。

シーズン終盤は試合前の声出し役を務め5連勝。予言者のように的中させた言霊は話題にもなった。「(最終戦は)負けて終わったんで、(声出しを)僕はしない。試合前に何しゃべろうか考えたくない。試合に集中して全力疾走できるようにしたい」と封印しバットで勝利をたぐり寄せる。【栗田成芳】

クライマックスシリーズ日程と組み合わせ