若き左腕が“チェンジアップ”に磨きをかける。巨人井上温大投手(21)が6日、川崎市のジャイアンツ球場での2軍練習に参加。武器の直球とスライダーに加えて「第3の武器」で飛躍を期した。

■2球種のみの組み立てで感じた限界

今季は昨年5月に受けた左肘のスクリュー挿入術から復活。育成契約から支配下再昇格を勝ち取り、プロ初勝利を挙げるなど、躍進の3年目となった。組み立ての中心は、ホップする最速150キロの直球と、切れ味抜群のスライダーの2球種。チェンジアップは「投げても打たれる」と自信がなく、初勝利した9月23日の中日戦(バンテリンドーム)でも95球中2球しか投げなかった。だがこのままでは「2巡目、3巡目とかは追い込んでも、そこから何球も粘られて仕留められてしまう」と限界を感じた。

■「いいものを求めすぎていた」

だからこそ、スライダーと対になるチェンジアップを磨いて投球の幅を広げていく。「今まではいいものを求めすぎていた。杉内さんや(高橋)尚成さんはすごくいいチェンジアップを持っているけど、いきなりそれはできない。結果はあまり気にしないで、打者に投げてどういう反応をするかを確認して、徐々に打ち取れるボールにしていきたい」。実戦で試行錯誤しながら、理想のチェンジアップを形作り、来季の先発ローテーション入りを目指す。【小早川宗一郎】