プロ2年目の巨人喜多隆介捕手(24)が来季へ向け、捕手としての堂々たる風格を身につける。7日、川崎市内のジャイアンツ球場で練習後に取材に応じ、今季初めて出場した1軍戦から得た教訓を語った。

「僕が出たときはどうしてもソワソワしてしまった」というが、それでは緊迫する1軍戦では戦えないと痛感した。その感覚を今季最終戦でしびれるほどに感じた。

2日DeNA戦(横浜)。前日の試合でCS進出は消滅していたものの、大勢のセーブ新人最多タイ記録が懸かるなど、消化試合とはほど遠いプレッシャーだった。喜多は3-0の6回から出場。7回に1点を返され2点差の9回に大勢がマウンドに上がった。

その大勢がいきなり連打を浴び、1死一、三塁から1点を失った。あと1失点すれば大勢のセーブ記録は消える。マスクの下の表情は緊張感でいっぱいだった。

「CSを含め、もっと上の舞台に行くと1つのミスも許されない緊張感だと思う。(大城)卓三さん、(小林)誠司さんは常にそういう舞台でやっているんだと実感した」。そのしびれる経験が自身の考え方を変えた。「自分が思っていたより何もできなかった。もっと技術的にも精神的にも行動しなければだめだと感じました」。

捕手の醸し出す雰囲気がチームに波及する-。自信を持った捕手にこそ投手は投げやすくなる-。二岡2軍監督からもそう指摘を受けた。これまでは、順調に試合が運ばないとき引っ込み思案になっていたが「どんな時でも浮き沈みなく堂々とやっていきたい」と断言。「から元気でも出していく?」と問われると「そうですね!」と、プラスの力をグラウンド全体に波及できる扇の要となる。