スマホを断った西武のエース、高橋光成投手(25)が3位からの下克上へ、流れを作る。8日のソフトバンクとの第1戦に先発。舞台のペイペイドームで最終調整し「CSで投げるのは初めて。緊張というよりは楽しみ。負けられない戦いで、自分がどれだけできるのか。すごい楽しみ」と心待ちにした。

2カ月前だった。「いじっている時間が多いかな」。誰に言われたわけでもなく、私生活には欠かせないはずのスマートフォンを手放した。1つの覚悟の形だった。「グーグルもできない」。SNSもチェックできなければ、動画なども簡単に見られない。マップも使えないから「行きたい場所にたどり着かない」こともある。ネットに流れるニュースからも遮断された。

たしかに不便かもしれない。ただ「(成績が)よくなった原因かな」と心から言える。「時間の使い方はがらっと変わった。家族と話す時間が増えたり、犬と過ごす時間が増えたり、本を読んだり、有意義に時間を使えるようになった」。リーグ2位の12勝のうち、8月16日以降に6つの白星を重ねた。ソフトバンクはポストシーズンで16連勝中で、投げ合うのは千賀。倒すのは容易ではないが、エースの真価を示す。【上田悠太】