3位の日大国際関係が、3季連続Vを目指す首位の静岡大に7-0で快勝し、わずかに残る優勝への可能性をつないだ。右腕の鈴木礼央(れお)投手(4年)が「負けたら終わり」の正念場で先発を託され、9回3安打1四球で今季2度目の完封。117球の好投でチームを勝利に導いた。

序盤から、左打者の内角を突く速球が抜群の球威と制球を誇った。「(静岡大に)左の強打者が多い中で、インコースを使えたことが良かった。文句のない投球ができた」。得点圏に走者を背負ったのは3、4回の2度だけ。今春のリーグ戦では7回1/3 9安打7失点と打たれた静岡大打線に、危なげなく雪辱した。

今大会前、これまで先発日前日に行ってきたブルペンでの投げ込みを止めた。「(松崎裕幸)監督からも『投げなくて大丈夫か』と聞かれたけど、自分の中でしっくりきた」。この日の勝利で今季4勝目。思い切ったルーティンの変更が、快投につながっている。

9日も静岡大との連戦に挑む。2連勝して2位の静岡産大が敗れれば、3校によるプレーオフとなる。鈴木は「ここから優勝できたら1番かっこいい。諦めずに戦いたい」と言葉に力を込めた。21年春以来3季ぶりの優勝へ、最後まで死力を尽くす。【前田和哉】

■静岡大3季連続V持ち越し

静岡大の3季連続Vは最終戦に持ち越しとなった。序盤に好機をつくったが、あと1本が出なかった。相手に主導権を渡すと、散発3安打と打線が沈黙。2020年秋の東海大海洋(現東海大静岡)戦(0●1)以来の零敗を喫した。開幕11連勝からの2連敗でリーグ制覇へ足踏み。それでも、主将の佐藤啓介内野手(3年)は「明日(9日)、勝つことだけを考えて良い準備をしていきたい」と顔を上げた。

◆優勝の行方 9日の今季最終戦の組み合わせは、静岡産大対東海大静岡と静岡大対日大国際関係。「産大○、静岡大●」で産大優勝、「産大●、静岡大○」で静岡大優勝。両チームが勝てば、12日にプレーオフ。そろって負ければ、日大を加えた3チームが11勝3敗で並び、プレーオフを行う。