阪神がDeNAに競り勝ち2勝1敗でCSファーストステージを突破した。引き分けでも敗退となる中、1点リードの9回裏、1死満塁のピンチで矢野燿大監督(53)がマウンドへ。湯浅京己投手(23)に「思い切り楽しんで」と声をかけ、代打藤田を二ゴロ併殺に仕留め逃げ切った。試合後の矢野監督の一問一答は以下の通り。

<テレビインタビュー>

-監督の目が充血している。熱い戦いだった。

「そりゃするでしょ。選手たちがみんなでつないで、必死にこうやってやってくれたんですから、こんなにうれしいことはないです」

-最後の場面、湯浅がDeNAの重圧をはねのけた。

「もうね、どんなことが起こっても、湯浅が今年成長してくれたおかげでここまで来られましたし、託すには申し分がないピッチャーなんで、打たれようが、どんな結果になろうが、それを受け止める気持ちでいましたし、その中でも向かっていってくれましたね」

-監督自らマウンドに足を運んだ。どんな声をかけたのか。

「『ドラマつくるなあ』って言って。『もういくしかない、強気やって。思い切り楽しんで、この場面、お前に賭けているから、どんな結果でもいいから、思い切っていってくれ』そんな声をかけました」

-湯浅はどんな表情でその言葉を聞いていたか。

「(マウンドに)行った時から笑顔で迎えてくれたというか、笑顔になったんで。いい顔をしているなと思いました」

-1勝1敗で迎えた第3戦は、どんな思いで臨んだのか。

「僕個人としてはもちろん、退任を発表してから、毎日毎日、今日が最後、今日が最後と思って来ましたけど、負ければ明日がもうない状態でしたし、いいチームなんで、この選手たちとやりたいなという気持ちが、やっぱり欲が出てきたので、そういうところの複雑ないろんな思いがありましたけどね」

-この3戦は若い投手が躍動した。

「いや、もうみんなですよね。ほんとにそれぞれが粘ってくれましたし。その中でも純矢(西)も昨日に続いていってくれましたし。うん、もう本当に申し分ないです」

-4回には佐藤輝が流れを変える1発

「まさかいくとは思いませんでしたけど、風もフォローだったんでね。あれでちょっと流れが変わることになりましたね」

-近本はバント失敗を取り返した

「近本があんなガチガチになってバントをするのは、なかなか見られないんで(笑い)。でも、そのあと必死に食らいついて、取り戻してくれたんで。はい、頼もしいですね」

-決勝打は原口らしい打撃

「いや、もう原口は執念の男なんでね。ああいうところで、やってくれるといつも思ってましたし。期待通り、打ってくれましたね」

-終盤は守備で流れを止めた

「近本もよく守ってくれましたし、タカヒロ(熊谷)もいいプレーをしてくれましたし。ほんとに全員野球というのが、俺たちの野球で掲げていますけど、全員がよく試合の中でそれぞれがやってくれたと思います」

-今季2勝11敗と苦手のハマスタ(横浜)でやり返した

「まあ、でもそういうこともあまり考えずというか、もう目の前の試合で必死にやってくれたんで。それが結果にこうやってつながって、ほんとにうれしいです」

-3位でCS進出が決まった時は「めちゃくちゃうれしかった」と。ファイナル進出を決めた今は

「面白くなったなってね。やっぱり甲子園に帰って日本シリーズっていうのは、ファンのみなさんに見せたいですし、僕自身も経験したいんで。もう1度、そこへ向けてチーム全員でファイナルを戦っていきます」

-常に夢と理想を語り続けてきた。夢の続きは

「選手たちがこんなドラマを作ってくれているんでね。開幕の苦しいところから、ここまで来たというのを含めて、選手たちがあきらめずにここまでやってくれたドラマだと思うので。だからまだドラマは終わらないと思うんで、全員で夢と理想を追って、最高のドラマを起こしてきます」

(ペン囲み)

-6回は北條の二塁打も大きかった。

「まあね。一緒にあいつもずっとやってきて、何かこう流れを変えられる男やし、普段、試合に出ない時もベンチのムードをね、一番つくってくれるヤツなんで。まあ、そういうところでは、任していいんじゃないかなというところで、いい流れをつくってくれたかなと思います」

-原口は第1戦、第2戦とあまり状態がよくないようにも見えたが、ああいう場面になると

「ああいう場面もそうやしね。いつも必死にいって、もちろん全部が結果が出るわけじゃないんで。まあ、でも、そこに湯浅もそうだけど、任せていいっていうものを見せてくれているんで、まあ、もう任せるだけかなと。ほんと、よく打ってくれました」

-投手陣は今日もスペシャルな継投だったと

「いやあ、まあ、ね。どこまで、どうするかっていうのはね、本当に難しいし、まあ、もちろん延長も考えないとダメだし、まあ、そういうところで難しかったけど、まあまあ、純矢(西)が本当、あそこを粘ってくれたっていうのが大きかったし、まあ、全員…。でも、全員なんやけど。全員なんやけどね。純矢があんだけいってくれたっていうのは、まあまあ、ちょっと延長になった場合でもっていうことを考えると、まだ余裕を持てたんで、まあ、大きかったかなと思います」

-第2戦、第3戦と西純を起用。状態の良さを感じてる

「(リーグ)終盤にちょっと中をやったっていうのも、まあまあ初めてっていうのはケース的に浮足立つとかあるかもしれないけど、そういうのはあいつの中でプラスにしてくれてるところもあると思うので、先発投手だけど、来年以降も含めて中継ぎはこんなにしんどいんだ、1個のアウトがこんなに大変なんだってね。もちろん先発もそうなんだけど。中継ぎより1球のアウトが重いんで、あいつ自身が知れる経験ができてるのは大きいと思うし、来年は先発でいっぱい勝ってる投手になってるやろうから、この経験は生きると思うので」

-守りは近本や熊谷など随所に執念が見えた

「執念というか、いいプレーが出た時にそうなるけど、みんな執念持ってやってくれてるし、結果的にうちが勝てたけど、DeNAだってすごい執念を持って戦ってるってこっちも感じてた。それはどっちも執念で戦ってるんで、それが今日は俺らがつながったというところ。その気持ちはずっと持ってやってくれてます」

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