<セ・CSファーストステージ:DeNA2-3阪神>◇第3戦◇10日◇横浜

阪神西純矢投手(21)が、重要な一戦で投打で躍動した。

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CSで投打にわたる活躍。いかにも西純らしかった。実は「野手」として見せた姿も、阪神がドラフト1位指名を決めた理由の1つだった。高3の秋、韓国で行われたU18W杯では主軸に座って2本塁打。投手としても本調子でない佐々木朗希、奥川恭伸に代わり、エースに近い役割を担った。

だが、最も驚かせたのは投でも打でもなく「守」だった。韓国戦で見せた伝説のバックホーム。左翼で出場していた西純が、同点の9回2死一、二塁で左翼線の打球を処理。深いファウルグラウンドから推定90メートルの大遠投で二塁走者を刺し、サヨナラ負けを防いだ。視察していたスカウト陣は顔を見合わせ、サヨナラを確信してベンチを飛び出していた韓国選手は状況を把握できず立ち尽くした。

担当した阪神山本スカウトは1位候補として強く推した理由にこのプレーを挙げる。「国際大会で、あんな活躍できる選手は、何か大事なものを持っている」。その見立ては間違っていなかった。【遊軍=柏原誠】

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