ロッテがサヨナラ勝ちし、7日に就任したばかりの吉井理人新監督(57)が“初陣”を飾った。

ミスの連鎖で終盤で同点とされたが、9回裏2死満塁で山本大斗外野手(20)が押し出し死球。投球が山本のユニホームをかすめると、この日は監督代行としてベンチ入りした吉井新監督は、右手を突き上げた。そのままベンチ内を動き、他のコーチ陣と喜びを交わした。「もちろんです。何でも勝てたらうれしいです」。勝利の喜びを問われると、そう答えた。

背番号は未定で、ユニホームもまだない。ベンチでは球団フリースを着て、本塁側の奥列に。攻撃中は立ち、守備中は座る。「投手コーチの時は攻撃はぼさーっと見てられたんですけど、監督は全体を見なきゃいけないので長く感じました」と3時間少々の試合を振り返った。

初回、山本が先制ソロを放つと、立ち上がって笑顔でタッチを求めた。ただ、とりわけ派手なことはしていない。目立ったのは拍手。選手が活躍すると1秒間に2発ほどのリズムで、甲高く鳴らした。3回、和田が二盗に成功すると9発。山本が適時打を放ち、イニング後にベンチへ戻ると14発。6回1死一、二塁。池田の深い中飛で一走、二走がタッチアップに成功すると10発、手を鳴らした。

9回表、2死から種市が突如乱れて同点にされ、なおも満塁のピンチ。「最後の1つのアウトを取るの、本当に難しいなとあらためて分かりました」。緊急登板した左腕成田が投ゴロに抑えるとまず7発、さらに時間を置いて15発、拍手を重ねた。

ミスには特に動くことなく、成功には分かりやすく賛辞を示した。「もちろん勝ちにこだわりたいと思っています。勝ちにこだわるんですけど、ファンが見て楽しいチームだなというふうにならないといけないと思うんで、我々はプロなんで。プロらしく勝ちにこだわっていければなと思います」。監督としての公約を口にした。【金子真仁】

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