オリックスの2年連続日本シリーズ進出を記念し、コアな情報満載の「火曜B」を「月曜B」に衣替えし、特別版でお届けします。

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オープニングと同時に、華やかな贈り物が届いた。送り主には「中嶋聡」の3文字。昨季限りで現役を引退した元オリックスの西浦颯大氏(23)は、目を丸くした。「お店の場所も開店日時も全く伝えてなかったので…」。指揮官からの心遣いに感謝しきりだった。

20年11月に国指定の難病「両側特発性大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)症」を公表し、昨季限りでユニホームを脱いだ。今月5日、大阪市中央区で「BAR ばるす」をオープン。開店初日のプレゼントにやる気がみなぎった。

オリックスは15日にCSファイナルステージを勝ち上がり、2年連続で日本シリーズ進出を決めた。再びヤクルトとの頂上決戦。「昨年と同じカードなので、借りを返してほしい」と日本一を願ってやまない。

気になる存在がいる。ヤクルトの主砲村上は熊本出身の同い年。小学生時代から何度も対戦した。「村上にも打ってほしいですね。例えば、村上が打点3を稼ぐなら、オリックスは4点を取り返してもらいたい」と本気のエールを送った。

日本一に輝き、宙に舞う中嶋監督が見たい。「2軍監督のとき、ずっと付きっきりで僕の練習を見てくれた。すごく熱心なのが伝わってくる監督。選手それぞれを見て、声かけや教え方を変えてくれた」。しんみりと言葉を紡ぐ。「今まで出会ったことのない指導だった。今の選手は、本当にやりやすい環境だと思う」。日本一の頂点に登り詰める瞬間に、祝杯を挙げる。【取材・構成=真柴健】

◆西浦颯大(にしうら・はやと)1999年(平11)5月21日生まれ、熊本県出身。明徳義塾から17年ドラフト6位でオリックス入団。高卒1年目の18年に1軍デビューを果たし、初安打も記録。19年には77試合に出場したが、国指定の難病「両側特発性大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)症」のため21年限りで現役引退。通算128試合、317打数61安打、3本塁打、22打点、打率1割9分2厘。現役時代は177センチ、68キロ。右投げ左打ち。

◆BARばるす オリックスOB西浦颯大氏(23)が開店したバー。所在地は大阪市中央区南船場4の2の18 佐野屋橋ビル1階。