苫小牧中央の斉藤優汰投手(3年)は広島が1位指名し、交渉権を獲得した。事前に広島が1位指名を公表していた。

長身から投げ下ろす力のある最速151キロのストレートに、カーブ、スライダー、フォークをまじえ、今夏の南北海道大会4強にけん引した本格派右腕。将来については「先発完投してチームの勝利に貢献出来るような投手になりたい」と思い描いている。

20年日本ハム5位指名を受け、同高初のプロ選手となった根本悠楓投手(19)が2学年上。高校入学時は制球難で苦しんだが、根本が行っていた冬場のランニングメニューを踏襲し、下半身を強化したことで、コントロール面でも安定感ある投手に成長した。

夏の大会は準決勝で敗れ甲子園出場は果たせなかったが、敗戦後も「連投した際に疲労が重なって打たれたので、体力をつけないと」と地道に体幹トレなどを続けてきた。中2秋に捕手から投手転向し夢をつかんだ道産子右腕。今季初勝利含む3勝と飛躍した根本先輩を刺激に、スキルアップを図っていく。

北海道・岩見沢市出身、189センチ、91キロ、右投げ左打ち。

 

▽広島新井監督 何年後かにカープの中心になってくれる投打の選手をと思っていた。あとは即戦力の投手(も指名できた)。100点満点のドラフトだったと思います。(1位指名の事前公表は)効果あったと思います。ほかの球団も評価の高い投手だったので。しっかり汗を流して、力をつけてもらいたい。自分がくじをひくことはなかったけど、画面見ながらドキドキしていました。

▽兄の1位指名を一緒に見届けた苫小牧中央の弟翔太投手(1年) とても優しくて野球もうまい兄。僕もまずは兄に追いつけるように頑張りたい。将来は、兄が果たせなかった甲子園に出たい。

○…2位利根商・内田内野手 高校通算36本塁打&最速149キロの二刀流は2位で指名された。「夢がかなった。そんな上位とは思っていなかった。びっくりしている」と高い評価の順位に目を丸くした。球団にはすでに二刀流挑戦の意向を話しているそうだが担当の高山スカウトは「パンチ力がある。三塁、外野手として挑戦してほしい」と野手としての能力にほれている。

○…6位トヨタ自動車・長谷部投手 184センチの最速150キロ左腕は自身の強みを「どんな場面でもひるまずに攻めていけるところ」と胸を張った。トヨタ自動車OBの広島栗林については「背番号14を(自分の)前につけていて意識していた。勝ちに貢献する姿を見て尊敬していた」。母方の祖先は蘭学(らんがく)医・杉田玄白で、この日がご先祖さまの誕生日。「良い報告ができるなと思っています」と笑顔を見せた。

○…7位大阪観光大・久保外野手 抜群の身体能力で下克上だ。支配下最下位で指名を受けた久保は「何とか最後までに選ばれると信じていた。目標は(カブスの)鈴木誠也選手。3拍子そろった選手と言われるようにこれから頑張りたい」と目を輝かせた。巨人などでコーチを務めた同大学の特別アドバイザー伊勢孝夫氏(77)は「彼が持ってる夢の第1歩。夢を膨らませていくためにも入ってからが大事」とエールを送った。同大学からは初のプロ野球選手誕生となる。

▽広島育成2位九産大・中村外野手 指名されてホッとしています。広島は熱狂的なファンが多いというイメージ。(新井新監督と同名の貴浩で)運命なのかもしれません。1日でも早く支配下になれるようにしっかり頑張っていきたい。