「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が20日、東京都内で開催された。東北勢は、富士大(岩手)の最速150キロ右腕、金村尚真投手(4年=岡山学芸館)が日本ハムからドラフト2位指名を受けた。

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富士大の絶対的エース金村のプロ生活は、北の大地から始まる。中学卒業後に故郷沖縄を離れ、高校は岡山、大学は岩手、今度は北海道と、さらに北上する。

午後5時56分、吉報が届いた。同大の会見場モニターに「日本ハム2位」の文字と新庄剛志監督(50)の映像が流れると、笑みを浮かべ、チームメートも「おー!」と沸いた。目標のドラフト1位はかなわなかったが「小さい頃からの自分の夢で、大学に入学してからプロを目指して頑張ってきた。その努力が報われてうれしい」と第一声。日本ハムについては「新庄監督がすごく楽しそうに野球をやっている」と印象を話した。

同学年への対抗心を隠さなかった。「ドラフト1位で同じ大学生の(日体大)矢沢(宏太)が行ったので、そこに負けないように順位関係なく頑張りたい」。18年に金足農(秋田)からドラフト1位入団の吉田輝星投手(21)についても「自分が高校生のときにドラ1で入った吉田投手は気になります」と力を込めた。

高校から沖縄を飛び出し、野球に打ち込んできた。「親元を離れて野球をやりたいと思っていたのと、中学校の頃は『県外に出ることがかっこいい』と(笑い)」。大学では精密機械のような制球力を武器に1年春からリーグ戦36試合に登板。25勝4敗、防御率0・88、被打率1割7分8厘、与四死球率0・99などの好成績を収め、大学野球界を代表する投手に成長した。

沖縄出身かつ富士大の先輩と言えば、西武山川穂高内野手(30)だ。対戦したい選手にも名前を挙げ、「自分も沖縄から出て注目される選手になりたい」。開幕1軍、1年目から2桁勝利に照準。「プロに入ったら順位関係なく活躍している選手も多いので、そこに惑わされずにやっていきたい」。プロ野球を代表する投手を目指し、北の大地で新たな1歩を踏み出す。【山田愛斗】