「村神様弾」で先勝ヤ!! 「SMBC日本シリーズ2022」が開幕し、史上最年少3冠王のヤクルト村上宗隆内野手(22)が、1点リードの8回先頭、オリックス平野佳から右翼席にシリーズ1号ソロをたたき込んだ。

相手エースでパ・リーグ投手4冠の山本との「ほこ×たて対決」は1打数無安打1四球だったが、第4打席で勝負強さを発揮。球団初の2年連続日本一へ、チームも主砲もこれ以上ない好発進を決めた。

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第4打席の「村神様」ヤ!! 1点差に追い上げられた8回先頭。第4打席の登場曲、あいみょんの「愛を知るまでは」が響く中、村上がゆったりと左打席に立った。オリックス平野佳に対しフルカウントからの7球目、外角低め136キロフォークを捉えた打球は、燕党の声援にも乗って右中間へ。打った瞬間に本塁打を確信。バットをポーンと放り投げ、ベンチを指さして悠然とダイヤモンドを周回すると「1点返されたあとだったので、すぐに取り返したかった。追加点を取ることができて良かったです」と喜んだ。

シーズン同様に終盤で勝負強さを発揮した。今季は第4打席で106打数35安打の打率3割3分、14本塁打。ヒットの40%が本塁打という脅威の本塁打率を誇る。3日のシーズン最終戦で放った日本選手最多となる56号も神宮での第4打席。最高峰の戦いでも記憶に残るアーチをかけた。高津監督も「そんなに簡単なボールじゃなかったと思います。2点差に広げたのは、非常に大きい1発だった」と評価した。

史上最年少で3冠王に輝いたスラッガーと、2年連続でパ・リーグ「投手4冠」を獲得した本格右腕。究極の「ほこたて対決」で開幕した熱戦だった。オリックス山本に対しては第1打席でストレートの四球を選んでチャンスを拡大。次打者オスナの先制2点適時二塁打につなげた。久々に神宮のマウンドに臨む相手エースに無言のプレッシャーをかけ、微妙に制球を乱した。開幕前から「見ての通り、誰もが認める日本のエースだと思います。日本シリーズという最高の舞台で戦えることがすごく光栄です」と意識。昨年の日本シリーズでは7打数1安打4三振。過去の交流戦を合わせても通算9打数1安打の打率1割1分1厘、5三振、0本塁打と数字は良くない。だが「それは関係ない。本当に打ちたいと思ってるので」とデータは意識せずに対決に臨んだ。

接戦をものにしてホームで先勝。「フォア・ザ・チーム」を第一に掲げる主砲にとって、自身の1発はもちろん、白星が何よりの喜びとなった。【鈴木正章】

▼村上が今シリーズ1号。昨年は<1>、<5>戦で本塁打を打っており、2年以上続けてシリーズ<1>戦で本塁打は57、58年豊田(西鉄)68、69年長嶋(巨人)76、77年王(巨人)90~92年デストラーデ(西武)10、11年和田(中日)に次いで6人目になる。その年の公式戦3冠王が本塁打は65年野村(南海)73年王(巨人)85年バース(阪神)に次いで4人目。いきなり<1>戦で本塁打したのは85年バースに次いで2人目だ。これで今季の村上は公式戦56本、CS1本、シリーズ1本の通算58本。ポストシーズンを含むシーズン58本は85年バースらの57本を抜き、公式戦で60本の13年バレンティン(ヤクルト)に次いで2位となった。

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