阪神の岡田彰布新監督(64)が24日、甲子園で始まった秋季練習で、前回退任した08年以来14年ぶりのタテジマのユニホーム姿で登場した。練習中はジャンパーを着ていたが、練習後のインタビューで背番号「80」を披露した。

「一緒にやっていた選手もいないしね。そういう意味では前回よりはすごく新鮮な感じはありますけどね。そういう意味ではいろんな話というか、性格とかいろんなことが分からない部分が多いんで、コミュニケーションというかいろんな話をこれからやっていきたい」と、選手を知ることから始める。

初日の練習は約3時間。練習前には選手たちの前で訓示も行った。この日はノックバットを片手に遠目に選手の動きを追った。特に内野、二遊間の守りには目を光らせた。「なかなか練習から見る機会がなかったので、練習の時からね、どういう考えでノック受けるとかそういうところをね」と、取り組む姿勢からチェックした。「まあ、競争というかね。二塁は二塁、遊撃は遊撃の専門職を。コンビなんでね。二遊間に関してはある程度11月の秋のキャンプでね、ある程度絞りたい」と、秋から競争は激しさを増しそうだ。

<近年の阪神新監督とナインの対面初日>

◆野村克也 98年10月28日に、鳴尾浜での秋季練習に現れた。巨人の松井や高橋由を引き合いに出し、選手たちに「彼らのように天性でできる選手じゃないのなら、当たり前のようになっていてはいけない。足りないところは頭を使わんとアカン」と5分間訓示。選手たちは神妙に聞き入った。報道陣、ファン約200人が集まり、報道陣は新監督が歩くたびに大移動。球団史に残る野村フィーバーが幕を開けた。

◆星野仙一 就任が前年の暮れだったため、ナインとの初顔合わせは02年1月31日のキャンプイン前夜となった。高知県内の宿舎で全体ミーティングに臨み「俺は勝つために来たんだ。強くするために来たんだ」と第一声。「もっとタイガースを愛せ、野球に恋しろ!」と熱さ全開だった。

◆岡田彰布 03年11月2日、甲子園で全員ミーティングを開催。「星野野球を継続したうえで、若さを出して個々にレベルアップしよう」と熱っぽく訴えた。4日には鳴尾浜での秋季練習に登場し「打ってほしい場面で打ってくれる選手がほしい」と勝負強い打者の登場への期待を口にした。

◆真弓明信 秋季練習中の08年10月29日、鳴尾浜の秋季練習に現れた。スーツ姿のまま、選手にはほぼ話し掛けず。入念に観察することに時間を割いた。「守備体系や連係プレーは、基本動作ができてからの応用で、春のキャンプからでも間に合う。まずは基本を染み込ませてほしい」と指示した。

◆和田豊 秋季キャンプに向けて高知入りした11年11月2日、初ミーティングで「大変」をキーワードに指定。「キャンプから帰るころには『大きく変わった』と言われる覚悟を持ってくれ。『大変』という言葉は、大きく変わると書く」と、選手たちに変化と進歩を強く促した。

◆金本知憲 15年10月20日、就任後初の全体ミーティングを開いた。「厳しくする。でも明るくもする」と所信表明。長らくともに戦った鳥谷を名指しし、猛烈に激励。「お前が変わらないとチームが変わらない。数字も、実績、年齢、年数にしても、もの足りなさすぎる」と厳しく言い渡した。個別とグループでの面談を織り交ぜて約5時間、精力的に動いた。

◆矢野燿大 18年10月23日に甲子園のクラブハウス内で、全体ミーティングに臨んだ。チームは17年ぶりの最下位に沈んだが「これから変えられるのは先のこと。数字的に良くなかった選手は、引きずられてもうまくいかない。逆にこれから先のことは、自分たちの努力や心の持ち方とか、いろんなことで変えられる」と前向きな言葉を並べた。

○…日本ハムから新加入した高浜が甲子園で筒井外野守備走塁コーチの指導を受けながら左翼守備を練習した。外野挑戦への決意を示した移籍会見から一夜明け、早速新本拠地を確認。「結構、今日も風が吹いて、伸びなそうな打球も結構伸びていた。鎌ケ谷で練習した感じとは、ちょっと違う感じがしました。あとは、天然芝なんで、打球が、ゴロが死ぬなと感じました。多分、レフトになると思うので、しっかりアピールしたい」と意気込んだ。

○…伊藤将が移籍の高浜と横浜高校時代以来となる再会を果たした。「高校生以来だったので、久しぶりというか、久しぶりすぎて絡み方忘れちゃって」と笑顔。「一緒に1軍でプレーできたらいいなと思います」と共闘を楽しみにし、「人見知りとか言ってましたけど、そんなことないと思います」と、ナインとの橋渡し役も買って出る。

○…日本ハムからトレード移籍した「直球破壊王子」こと渡辺諒が、目標の「開幕二塁」へ始動した。秋季練習でチームに初合流。二塁でノックを受け、甲子園を体感した。「土の具合も毎日違うと思いますし、それで合わせなくちゃいけない。送球ミスがないよう投げるための捕球だったりとか全然違うので、明日からもやっていきたいなと思います」と引き締めた。パ・リーグと比べ「セ・リーグはマツダもありますし、守備力は大事になってくると思う」と強打に加えて堅守もアピールする。

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