非情の放物線をぼうぜんと見つめた。5回2死一、二塁。粘り強く投げていたオリックス宮城大弥投手(21)が山田に痛恨の3ランを許した。内角直球を2球続けた。だがわずかに甘く入った147キロを高々ともっていかれた。

「5回が全てだった。先頭打者から連打でつながれてしまい、何とか粘り切りたいところで長打を許してしまう、一番よくない投球になってしまった」。悔やみ切れない一投だった。

1年間の成長を見せたかった。昨年の第2戦と同じ高橋との投げ合いで、返り討ちにあった。昨年は8回途中1失点と好投しながら、相手に完封を許していた。高卒3年目にして先発ローテを支える存在だが、リーグ連覇のあと「大事なところでやらかしている僕なので」と口にした。エース山本のように大事な試合でチームを勝たせる投手を目指してきた。

2回の先頭、村上の内角を鋭く突いた。バットを根元からへし折り、投ゴロ。緩急をつけたハイレベルな投球は披露した。しかし勝てなければ意味はない。チームは3試合で計15失点だが、うち9点が本塁打によるもの。勝敗に直結する1発ばかりだ。パ・リーグ連覇を支えた自慢の投手陣。最後の最後で決壊するわけにいかない。【柏原誠】

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