ナカジマジック、今季最終章-。日本一の頂へ、オリックス中嶋聡監督(53)が勝負に出る。「SMBC日本シリーズ2022」の第6戦が神宮で行われる。2勝2敗1分けで敵地に乗り込むオリックスは、山崎福也投手(30)が先発する。エース山本由伸投手(24)が22日の初戦で左脇腹を痛めた影響で先発登板を回避。23日の第2戦で好投した山崎福が中5日で大役を務める。30日の第7戦は宮城大弥投手(21)を異例の中4日で投入する方向。宇田川、山崎颯ら救援陣もフル稼働の総力戦で日本一をつかむ。

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負傷のエースをカバーするのは「ダブル左腕」だった。山崎福が、29日の第6戦に先発する。山本の先発回避を受け、登板間隔が中5日の先発マウンドになるが「順調です。前回の良い感覚も残っている。いい調整ができました」と自信をのぞかせた。

前回は23日の第2戦(神宮)に先発し、4回4安打無失点好投。「変化球もうまく操れたので良かった」と緩急自在のカーブやチェンジアップを散らし、ヤクルト打線を寄せ付けなかった。得意の打撃では先制タイムリーも放った。球数68球と余力を残して、強力リリーフ陣にバトンをつないだのは、第6戦への“伏線”だった。

27日の第5戦(京セラドーム大阪)は、9回に選手会長の吉田正が1試合2発目となる2号サヨナラ2ランを放ち、劇的な幕切れを飾った。山崎福は「一緒のチームの選手ですけど、感動しました」と興奮を隠せない。この一撃で2勝2敗1分けのタイとなり、「これでお互い五分。勢いはオリックスについた。日本シリーズの舞台で2回も先発できて、うれしいの一言です」と気合十分だ。

昨年の日本シリーズから意外にも先発陣に1度も白星がついていない。明大時代に慣れ親しんだ神宮のマウンドで「村上選手、山田選手にチームは1発を打たれている。その2人に打たれたら向こうの雰囲気になる。注意しつつ思い切り攻めていきたい」と警戒しつつも、大胆な投球を心掛ける。

両軍とも第6戦は日本一に王手がかかる重要な一戦。第7戦には中4日で宮城を投入する方向。前回登板は89球を投じているが、強力リリーフ陣が控えている。必勝の「USJ継投」の一角である宇田川、山崎颯は2日間の休養でリフレッシュ完了。阿部、ワゲスパック、比嘉、平野佳らがフル稼働する見込み。全員で日本一へ-。中嶋采配が勝負手に出る。【真柴健】

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