日本ハムは16日、10日間に及んだ沖縄・国頭での秋季キャンプを午前中の練習で打ち上げた。恒例になっている“手締め役”に指名されたのは、志願して参加したドラフト3位の加藤豪将内野手(28=メッツ3A)だった。「まず手締めが何か分からなかった」という米国育ちの加藤豪は、事前にグーグルで検索。「前のドアを閉めて、次のドアを開けること」と書かれていたそうで、言葉の意味を踏まえた上で感動的なスピーチを披露し、初のキャンプを締めた。

チームメートからは「先生」の愛称で慕われている。円陣の中央、マウンドに上がった加藤は「チームメート全員に受け入れてもらって、本当にうれしかったです」。来年2月1日の春季キャンプへ向けて「来年2月まで覚えていてほしい言葉があります。それは『Believe』」と、新たな仲間たちにメッセージを送った。

「Believe in your self=自分を信じること。Believe you are the best=自分が1番だと信じること。Believe in your teammates=チームメートを信じること。Believe we can be champions=世界一になれると信じること」。選手やファン1人1人が100%、信じることが、世界一への力になると英語を交えながら説明。「次の扉を大きく開けるために、このキャンプを締めたいと思います」と結んだ。

▽球界の名スピーチ

★わが巨人軍は永久に不滅です 74年10月14日、巨人長嶋が後楽園球場での引退セレモニーで。「私は今日ここに引退いたしますが、わが巨人軍は永久に不滅です」とスピーチ。

★自信から確信に変わりました 99年5月16日、高卒新人の西武松坂がオリックス・イチローとのプロ初対戦で3打席連続三振を奪い、試合後のヒーローインタビューで。

★ファンのみなさま、おめでとうございます! 01年10月6日、リーグ優勝を決めたヤクルト若松監督が場内インタビューで。「ありがとう」と言うつもりが「おめでとうございます」と言い間違えて話題に。日本一達成後の「ファンの皆さま本当に日本一、おめでとうございます」は流行語大賞の語録賞を受賞。

★シンジラレナ~イ! 06年9月27日、札幌ドームでレギュラーシーズン1位通過を決めた日本ハムのヒルマン監督が場内インタビューで心境を問われて声高々に絶叫。同年の流行語大賞トップ10入り。

★見せましょう、野球の底力を 11年4月2日、札幌ドームで行われた東日本大震災の復興支援試合で、楽天の嶋選手会長が試合前に3分超えのスピーチで。見守っていた星野監督も「涙が出てきた。本当に…込み上げてきた」と、心を揺さぶられた文言は、同年の流行語大賞候補にノミネートされた。

 

○…阪神から移籍した斎藤友が、秋季キャンプでブルペン締め。初日以外、毎日ブルペン入りし「リリースの時にボールをつかむ感覚が出て来ている。すごく、いい方向に行っているのかなと」と、練習の成果に声を弾ませた。歩幅を狭めたことが一因で「コントロールも、真っすぐの回転も、質も良くなっている。今の感覚をつかめるように冬、鍛えていきたい」と意気込んだ。