西武平良海馬投手(23)の先発転向が決まった。4日、埼玉・所沢市内の球団事務所で2度目となる契約更改交渉でサイン。2日の交渉では来季から転向を訴えるも、球団から認められずに保留していた。中1日の席で意向を容認された。

「自分の意見を強く持って発信し、話し合いができた」。先発は19年オフから訴えてきた悲願だった。だが、最強のリリーバーとして地位を築き、結果を出し過ぎたことが逆に先発の機会を失わせた。「3年間ぐらい不平等さみたいなのを感じていた。解消されてよかった。チャンスをもらえてうれしい」。年俸は前回と同じ7000万円増の1億7000万円だった。(金額は推定)

もちろんローテ入りが約束されたのではない。「競争で勝たないと始まらない」。もし先発で結果が伴わず、再転向を命じられれば、納得して受け入れる。「負けたら負けたで。リリーフにいく」。先発では175投球回を目標に掲げる。

中途半端な覚悟ではない。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には「出ない」と表明した。意志は固いかと問われると、「はい」と即答。「出る、出ないは悩んでない。今、言っていいのかなと。まあ言っちゃったんですけど」と、勢いのまま語った。

敏腕代理人ボラス氏が運営する会社と契約している。「将来的にはしっかり」と、メジャーに挑戦したい意向を持つ。アピールチャンスであるWBCに出ないのは、来春は先発転向に必要な力を養うのにすべてを注ぎたいから。「先発としてチームできちんと調整して貢献したい思いで」。悲願の場所で結果を残すべく、すべてを尽くす。【上田悠太】

◆西武の来季投手陣 先発陣は高橋、今井、松本の「3本柱」と、今季10勝をマークした左腕エンスがローテで回る見込み。ここに初の2ケタ勝利をマークしたサブマリン与座と、若手の隅田、渡辺、そして先発転向の平良が加わって競争となる。“穴”が空くことになる8回のセットアッパーは新人王の水上が最有力候補。また防御率1・72の森脇、球宴にも初出場した同1・97の本田、新外国人らが候補に挙がる。

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