ソフトバンクは5日、ペイペイドームに隣接する商業施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」で新入団選手の発表会見を行った。

ドラフト4位の大島・大野稼頭央投手(18)の目標は「全試合先発完投」。11月に72歳で逝去した元ロッテ投手・村田兆治氏の「人生先発完投」という座右の銘を受け継いだ。「離島の鉄腕」と呼ばれた左腕が、プロの舞台でも自慢のスタミナを発揮する。

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大野は目標を記した色紙に「全試合先発完投」と書き込んだ。「中学、高校とずっと先発をしてきて、すべてを投げ抜いてきました。プロでも継続していけたらなと思って、書かせていただきました」。身長175センチ、体重67キロと大柄ではないが、描く未来は堂々たるものだった。

ロッテの投手として活躍し、11月11日に72歳で逝去した村田兆治氏に影響を受けた。龍南中3年時に、同氏の提唱した「離島甲子園」に出場。その際に行われた野球教室で「村田兆治さんに技術面やマウンドでの心構えを教えてもらいました」。最も覚えている言葉は「とにかく自信を持ってマウンドに上がりなさい」。金言を胸に、離島甲子園では7イニング制の全4試合を完投し、ベスト4まで進んだ。

村田氏はNPB16位タイの通算184完投を記録。座右の銘は「人生先発完投」だった。大野は信条を受け継ぎ、目標を「全試合先発完投」に定めた。「村田兆治さんの言葉はリスペクトしています。自分の一番自信のあるスタミナをアピールしながら頑張っていきたいです」と言い切った。

昨秋の九州大会では3試合28イニング、467球を投げて準優勝。大島を今春のセンバツ出場に導いた。今夏も鹿児島大会準優勝ながら、全6試合49イニングを投げ抜いた。「離島の鉄腕」という異名を持つ最速146キロ左腕。まずは「体作りをしっかり。1軍で戦えるよう、練習に専念したいです」と足元を見つめた。

鹿児島南部の離島、奄美大島で生まれ育った。物心がついた頃には、世界自然遺産に登録された海や山で遊んできた。自信満々なスタミナは自然に培われた。「島の人たちも応援してくれている。島からでも活躍できるという姿を見せられるように頑張ります」。故郷の後押しを胸に、左腕を振り続ける。【只松憲】

▽ソフトバンク3位・生海外野手(22=東北福祉大) (登録名がファーストネームの生海となり)名前なのでうれしい。プロでの目標は本塁打王です。

▽ソフトバンク5位・松本晴投手(21=亜大) 取りたいタイトルは最高勝率。自分が投げた試合で1試合でもチームの勝利に貢献できたらなという思いです。

▽ソフトバンク6位・吉田賢吾捕手(21=桐蔭横浜大) 目標は3割30本100打点。胸を張って練習をやってきた自信がある。下手くそなので練習しました。

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