ライオンズファミリーで胴上げだ! 西武松井稼頭央監督(47)が日刊スポーツの新春インタビューに応じた。

日米通算2705安打をマークするなど球史に残る名遊撃手がいよいよ、監督として出陣する。期待だけでなく、不安も隠さずに吐露しながらの第1歩。タンクトップの似合う男が個性豊かなメンバーたちをまとめ上げ、再び秋に舞う。【取材・構成=金子真仁】

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松井監督はささやかに新年を迎える派だという。

「ここ数年はもう、家でゆっくりです。臼を借りて、みんな餅つきしたりするし。今までは海外で正月を迎えることも多かったので、日本では本当にゆっくりできるからいいですね」

つかの間の充電を終えれば、球史に数々の記録を刻んできた1番打者が、リーダーとしていよいよライオンズの最前線に立つ。

「選手とかより、まず自分自身への期待も不安もある。不安って絶対付きまとうものと思うので。選手の時は常に僕も不安でしたから。その中でどうやるかが大事になっていくんで」

森がFAで退団し、試合終盤に絶対的な信頼を誇る平良が、先発転向を志願した。「不安」と、心のうちを隠さずに示しつつ「でも、僕は選手にはもちろん期待しかない」と若獅子たちの飛躍に夢を見る。

タンクトップが似合う筋トレ好き監督は、主役はもちろん選手に譲る。記憶に残るプロ野球の光景も、輝くのはやはり選手だ。

「小さい時って、監督って1回も見てないよ。見るの、選手ばっかりですよね。岡田さん、掛布さん、バースのバックスクリーン3連発。僕、あれ見に行ってたんですよ、甲子園に」

当時巨人ファンの10歳少年がネット裏で目撃した、強烈すぎるシーン。「(巨人中堅手の)クロマティが同じ動きを3回したんですよ。すっげえなプロ野球、って」。劇空間を演出するスターたちを、今度は自分の手で育てる。

「昔からですもんね。個性ないと、面白くないしね。野球スタイルから、ファッション的なところもそうでしょうし」

伝統的に“濃い”西武戦士たちを、強く1つに束ねるのも新監督の大きな任務になる。

オリックスが連覇中のパ・リーグで、ソフトバンクが大型補強に成功した。

「今はどうキャンプに入っていくか、キャンプでどういうふうにするか、そこです。まず自分のチームですよね」

身を潜め、戦術を見極めていく段階ながらも、僅差に収まる混パを勝ち抜くイメージもできている。

「今これだけパ・リーグの投手のスピードが速くなってきて、力のある球を放る投手もいっぱいいる中で、打つってなかなか…。その中でどう打っていくか、どう1点を守るかになってくるので。やっぱり投手、守備、走ることからリズムを作るのは大事になってくるのかなと思います」

現役引退での胴上げから4年少々がたつ。

「気持ちいいな~と思いました。こんな感覚なんや~と思って」

5年ぶりの快感へ。

「僕だけではなく、チームが、ファンの皆さんが、球団が、その気持ちはみんな毎年思うわけですから、そこは1つになって分かち合いたいです。やっぱり、ファミリーですからね」

45年目の西武ライオンズ。一丸で出陣し、狙うは“秋の獅子舞”だ。

◆松井稼頭央(まつい・かずお)1975年(昭50)10月23日、大阪府東大阪市生まれ。PL学園では投手として甲子園に出場。93年ドラフト3位で西武入団。内野手に転向し、最多安打2度、盗塁王3度。02年トリプルスリー達成。98年パ・リーグMVP。03年オフ、メッツにFA移籍。06年途中でロッキーズへ移籍し、07年ワールドシリーズ出場。アストロズ在籍時の09年に日米通算2000安打達成。11年から楽天、西武でプレーし、18年限りで現役引退。19~21年西武2軍監督、22年1軍ヘッドコーチ。23年から1軍監督を務める。現役時代は177センチ、85キロ。右投げ両打ち。