ソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(82)が仕事始めとなった5日、チームにV奪回の大号令をかけた。
ペイペイドーム内で球団首脳とともに鏡開きを行い「今年は10ゲームくらい離してゴールするんだと強い思いを持って戦いたい」と宣言。昨季は優勝マジックを1としながら最終戦で敗戦し、オリックスに2年連続Vを献上。雪辱のV奪回へ、早くも王会長の胸が高鳴った。
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静かな口調だった。それだけに悔しさがズシリと伝わった。新年のたる酒を勢いよく割ると、雪辱の気持ちはさらに高まったようだ。
王会長は低く落ち着いたトーンで言った。
「どうしても去年のことを振り返ってしまうことが多かった。我々が同じ数字でゴールしながらシリーズに出られなかったのは残念なことだった。勝負の世界というのは常に課題は投げかけられるけど、それを常にクリアしていかなければいけないと痛感した昨年でした」
振り返りたくないはずの屈辱の22年シーズンに思いを巡らせると、語気はだんだん強くなっていった。
「藤本監督以下とにかく一戦必勝で、去年みたいに同率で悔しい思いを絶対に2度としないんだと。今年は10ゲームくらい離してゴールするんだというくらいの強い気持ちを持って戦いたい」
優勝マジックを「1」としながら最終戦敗戦で覇権を逃した屈辱は、まだまだ脳裏に焼きついている。だからこそ、V奪回へ、自然と力がこもった。
球団フロントとして、覇権奪回へのバックアップにも尽力した。オフは5球団争奪戦の末、日本ハムからFA宣言した近藤を獲得。さらに前ロッテのオスナ、前阪神のガンケル、新外国人のアストゥディーヨ、ホーキンスらの大型補強でチーム強化を図った。チーム内のさらなる競争激化で「常勝ホークス復活」への醸成を促すつもりだ。
「チーム内で勝たなきゃいけない。補強した分、選手たちは大変なんですよ。厳しい条件がそろってこそ、選手も本気を出さざるを得ない。選手たちの本気度を見せてもらうためにも、キャンプを例年以上に楽しみにしております」
3年ぶりV奪回へ-。王会長の闘争心は熱く燃えさかっている。【佐竹英治】
◆ソフトバンク22年のV逸 藤本監督が新人監督としては新記録となる開幕8連勝を達成。9月15日に初めてマジック11が点灯した。だが9まで減らした後、敵地でオリックスに3連敗を喫したのが痛恨だった。マジック1で迎え、引き分け以上で優勝だった10月1日西武戦では、セットアッパーの藤井が延長11回にサヨナラ被弾。シーズン最終戦となった翌2日ロッテ戦も逆転負けを食らった。最終的にオリックスとはゲーム差なしで勝率も全く同じ。10勝15敗だった直接対決の結果によって、目前まで迫った優勝を逃した。



