V奪回を目指すソフトバンクが超ビッグ補強を完結させた。6日、昨秋に米メジャー、レンジャーズを自由契約となった有原航平投手(30)を複数球団との争奪戦を制し、3年15億円で獲得したことが分かった。

7年50億円でFA移籍した近藤らを含め、今季の補強総額は約80億円にも上る。藤本博史監督(59)も「目標ではなく、優勝します! 日本一になります!」とV宣言。プロ野球史上例を見ない超巨額補強で、3年ぶりV奪回&日本一へ突き進む。(金額は推定)

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「目標でなく、優勝します! 日本一になります!」。ペイペイドーム内で行われた今季のスローガン発表で、藤本監督は力強く右拳を突き出した。

FA戦略では日本ハムから近藤を7年50億円超、DeNAから嶺井を4年3億円で獲得。さらにロッテからオスナを約6億5000万円、阪神からガンケルを約1億6000万円で加入させると、新外国人としてアストゥディーヨ(約1億8000万円)、ホーキンス(約6000万円)も獲得。だが、ホークスのV奪回補強はまだ終わらなかった。阪神なども狙っていた有原を3年15億円で獲得。米メッツへFA移籍したエース千賀の穴を埋める大きなピースが加わった。複数年の契約年数を含めた今オフのホークスの補強総額は約80億円にも上る。プロ野球史上でも例を見ない巨額補強。5日の仕事始めであいさつした後藤球団社長はV9巨人を超えるV10を目標に掲げた。「10年の計を考え抜いてやった結果。その1年目として最高の結果を出せるように一丸となって頑張りたい」。今期は親会社ソフトバンクグループにとっても厳しい経営状況となったが、拡大路線を是とする孫正義オーナーの思想もあり、巨額投資に迷いはなかった。そんな球団フロントの強烈な後押しを受けた藤本監督も背筋が伸びざるを得ない。「フロントがすごい補強をしてくれたんで、今年は優勝するしかない。強い気持ちで戦っていきたい。これだけの補強をして戦力は整ったと思う」。

監督1年目の昨シーズンは最終戦でオリックスに逆転優勝を許した。マジック「1」と王手をかけながら、あと1勝に届かなかった。屈辱のV逸に藤本監督は「目からなんか変な汁が出た」と野球人生で初めて涙を流した。悔しさを最高の喜びに変える-。言い訳の許されない巨大補強。3年ぶりのV奪回に突き進むだけだ。

◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日、広島県生まれ。広陵で3年時に甲子園春夏連続出場。早大ではリーグ戦通算19勝12敗、防御率2・72。14年ドラフトで4球団の1位指名を受け、日本ハム入団。15年新人王。19年最多勝。20年オフにポスティングでレンジャーズ移籍。21年4月にメジャーデビューし、同14日レイズ戦で初勝利。22年はマイナーで開幕を迎え、8月にメジャー復帰するも1勝どまり。189センチ、95キロ。右投げ右打ち。

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