12人の代表を先行発表した侍ジャパン栗山英樹監督(61)は最初に「30人を最終的に発表しますが、力があるとか、ないとかは別問題。チームのバランスとして、この形が一番いいと思って選ばせてもらいます」と強調した。個々の単純な力量ではなく、全員が合わさった時のチーム力を重視。1月末の最終メンバー発表へ向け、候補選手の絞り込みを進めていく。

大谷を含む12人の顔触れは、順当と言える。昨年11月の強化試合で活躍した主力級に加え、2年連続パ投手4冠のオリックス山本とメジャー3選手が入った。指揮官が目指す形は「ベースになるのは投手中心に点をあげない」。ただ、状況に応じて点も取りに行く。「全ての分野で、ある程度のレベルで戦わなければ、外国のチームには勝てない。相手の形によって、柔軟に形が変えられるチームを作りたい」という思いで、まずは核となる12人を選んだ。大谷の起用法は熟考中だが、二刀流が基本線。メジャー選手の合流時期はルールが絡むため未定だが、早期の合流を望んだ。

現時点で最年長となるダルビッシュには、若手への経験や知識伝授も期待した。山本、村上ら日本球界を代表する若手たちには「先輩たちがプレッシャーを背負ってくれる中、突っ走ってくれたらチームがさらに進化する。WBCをいい機会にして欲しい」と望んだ。残るは18人。レッドソックス吉田の招集は明言済み。「第一義は侍の魂を持っているかどうか」。熱き侍を選び抜く。【古川真弥】

▽エンゼルス大谷 優勝だけ目指して、勝つことだけ考えていきたい。前回出られなかったですし、自身としても初めてのWBCなので、楽しみにしながら頑張りたいと思っています。

▽パドレス・ダルビッシュ 優勝して、日本の野球の素晴らしさが伝えられるように全力で挑みます。世界一に向けて、チームを引っ張る投球ができるようにしっかり準備していきます。

▽カブス鈴木 前回大会では悔しい思いをしたので、今回こそは栗山監督を胴上げすることを目標に、侍ジャパンの世界一に貢献できるよう精いっぱいプレーしたいです。

▽オリックス山本 選出していただき、とても光栄ですし、身が引き締まる思いです。大会へ向けてしっかりと調整して、日本の世界一に貢献できるよう全力で腕を振りたいと思います。

▽ヤクルト村上 子どものころに夢中でWBCで戦う侍ジャパンを応援し、夢を見させていただきました。皆さんに夢を与えられるように、世界一になれるように全力でプレーします。

▽ロッテ佐々木朗 大変光栄に思います。日本の優勝のために自分ができる精いっぱいのピッチングができればと思っています。優勝に貢献できるよう頑張ります。

▽ソフトバンク甲斐 代表として恥じないよう、経験を最大限に発揮したいと思います。投手としっかりコミュニケーションをとり、求められるプレーのために最善を尽くします。

▽DeNA今永 非常に光栄に思います。同時に責任と重圧を感じております。野球を見たことのない方々にも興味を持ってもらえるようなプレーをしていきたいです。

▽巨人戸郷 侍ジャパンの一員になれることを想像するだけでも身震いがします。ユニホームを着られることを誇りに思い、今後の野球人生に生かすためにも精いっぱい投球したいです。

▽DeNA牧 選出していただき非常に光栄に思います。日本を代表してプレーできることに感謝いたします。世界一になるために自分の全力をぶつけたいと思います。

▽西武源田 このたびは選出いただき、大変光栄です。初めてのWBCになりますが、自分らしさを出して、日本の優勝に貢献できるように精いっぱいプレーします。

▽ソフトバンク近藤 望んで出場できるものではないですし、光栄に思います。プレミア12や五輪も出場させていただきましたが、世界の野球を体感できる貴重な機会だと思っています。

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