WBC日本代表入りが正式決定した西武源田壮亮内野手(29)は、全くもっての“普段着”だった。

7日、埼玉・入間市内でのトークショーに参加。侍ジャパン入りからの一夜明け。緊迫感はなく、目立つような高揚感もない。久しぶりのファンイベント。「本当に、あっという間に時間が過ぎて」。MCを務めたのが親交深い西武ファンのピアニスト、清塚信也氏。それもあってか、和やかな時間になった。

侍入りについては「あのメンバーの中に選んでいただいて、すごく光栄です。とにかく100%の準備をして臨めるようにしたいです」と話した。経験、年代、グラウンドの中心にいる遊撃手というポジション。栗山監督からは「世界一のために力を貸してほしい」と連絡があった。野手陣の中枢として期待される。

ただ、その立場について報道陣に問われると「全員のメンバーが発表されていないのでまだ分からないですけど、とにかく自分の与えられたところで100%仕事ができるようにというのは常に考えているので。そこだけですね。準備不足がないように」と、明確な発信はしない。

このオフ、西武と新たに5年契約を結んだ。キャプテンとして4年目に入る。松井新監督からも「チーム最優先で頼む」と期待を寄せられている。

「そうっすね、まぁ、でも周り見ながら、とにかく、何て言うんですかね」

そう照れくさそうに前置きしてから続けた。

「若い子とかがどんなこと考えてるかなとか、いろいろ顔も見ながら、声掛けながらやっていければなと思いますけど。去年、(滝沢)夏央が試合に出始めたりした時に、試合終わってすごい悔し涙を流してたり、ロッカーで泣いて寮に帰れないとかもあったりして。みんなで声掛けながら、っていうのもあったんで。監督が代わっていろいろな選手が新しく試合に出て行くと思うので、そういうケアだったり、意識してやっていければと思います」

2月には30歳になる。キレキレの遊撃守備でならし続け、いつしかそんな役割を侍でも求められるような年齢になった。

トークショー内では、大分で源田の両親に会ってきたばかりというMC清塚氏が、そこで仕入れた驚きのエピソードを披露。源田が少年野球で敗れてメソメソ泣いていたら、母から「腹の底から声を出せ」と平手打ちされたことがあったという。

源田は「昔ですけどね。気合入れられました」と笑いながら回想する。チームを引っ張るためには母親譲りの? そんなふうに報道陣から冗談交じりで尋ねられると「僕はもう、ソフトな感じでいきます」と笑った。

強い言葉で引っ張る豪快なリーダーシップ、というわけではない。潤滑油、というのもちょっと違う。ソフトな感じで-。全体を心地いい感じに仕上げる。何となく“柔軟剤”という言葉が浮かぶ。【金子真仁】

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