漢字を覚えて、野球で有名になって「ヒトシ・マツモト」に手紙を書きたい。日本ハムの育成ドラフト3位山口アタル外野手(23=テキサス大タイラー校中退)が8日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で取材に応じた。すでに入寮済みでトレーニングに励む逆輸入育成ルーキーは漢字を自習中。リスニングは完璧な日本語の、読み書きもマスターし、大ファンのダウンタウン松本人志(59)へ自筆のファンレターを送る目標を掲げた。
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他のルーキーに先駆けて入寮していた山口が笑顔でカバンから取り出したのは「かんじれんしゅうちょう」だ。半年前に購入したが、もう背表紙はボロボロ。自主トレの合間を縫って毎日、漢字練習帳を開いては漢字を書き込んで勉強している。「ちょっとずつ、うまくなってきている感じ」と、生まれ育ったカナダを旅立って日本で成功するために持ち込んだ、大事な入寮グッズだ。
日本語を聞き取り、話すことは「問題はあるけど、そこまでは問題ない(笑い)」。ただ、漢字の読み書きは苦手。現在は小学1年生で習う漢字をネットで調べては、ひたすら漢字練習帳に書き込んで練習している。好きな漢字は「スイ、ミズ。水って書くの、めっちゃ面白い」と、お気に入り。いろんな漢字がうまく書けるようになれば、手紙を書きたい相手がいる。
山口 ヒトシ・マツモト。ヒトシ(人志)とかマツモト(松本)って(漢字で書けるまで)レベル上がってない。いずれ上がったら手紙を送るかも。いつか会いたい。大ファン。
カナダ在住時の“日本語教師”は日本人の父と、現地で見ていた日本テレビ系のバラエティー番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」に出演していたダウンタウン松本だった
この日も松本から見て学んだ日本語を披露。スポーツスパッツを左足だけ身に付けていたことについて「自分でファッショントレンドを始めようかなと思って。実はこっち(右足側)は(自分で)切ったの。(でも周囲から)ケガしているかな? って聞かれたから、ちょっと“すべった”かなって感じ」。“すべる”という単語は「ヒトシ・マツモトが『すべる』って言ったのを聞いて使ってます」と、意味も理解して使いこなしている。
自らプロモーション映像を球団に送り、ドラフト指名を勝ち取った異色の逆輸入選手は「まずは野球で有名にならなきゃ」と、鎌ケ谷で日々、練習も精力的に行っている。漢字をマスターし、野球でも成功した暁には、ダウンタウン松本にどんな“ファンレター”を送りたい?
山口 ずっと子どもの時から見ていて、大ファンで。1回、ダウンタウンのテレビ番組に僕も出たい。笑ってはいけない。僕も「鬼ごっこ」とかで出たいと。
ちなみに好きな漢字は「水」だけに「水曜日の『曜日』はヘタクソだけど(書ける)。(『水曜日のダウンタウン』と書くのは)大丈夫です。ダウンタウンは英語で書けるし」と、マスターしているという。
着々とレベルアップする漢字力とともに、プロ野球選手としても9日から始まる新人合同自主トレで本格スタートを切る。「やっぱり守備を固めたいと思います。そして体力付けたいと思う。(昨年6月に投手から転向したばかりで)今シーズン野手としては久しぶりなので、シーズン通してケガをしないように頑張りたいと思います」と、気合も十分だ。
これが、フィジカルモンスターの異名を持つ、伸びしろ十分の本名「アタル・ジェイ・ヤマグチ」のかなえたい夢の話。現実にするための挑戦が、いよいよ始まる。【木下大輔】



