今年の干支(えと)、ウサギのように飛躍が期待される道内出身者にスポットを当てる企画「翔る! 年男年女」をスタートする。第1回は昨年10月に侍ジャパンU23日本代表で「第4回WBSC U23ワールドカップ」優勝に貢献した信越硬式野球クラブの工藤稜太投手(23=東海大北海道)。

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工藤の目標はただ1つしかない。大卒社会人2年目の今季はドラフト解禁で、勝負の年になる。「プロになりたい。選ばれなかったら(野球を)やめるくらいの覚悟でいる」と表情を引き締める。

最速は146キロ。カーブやスライダー、チェンジアップなど多彩な変化球を持ち、昨年、侍ジャパンU23日本代表に初選出された。背番号18をつけ台湾で行われた「第4回WBSC U-23ワールドカップ」に出場した。「最初は実感が全く湧かなかった。初めて(ユニホームに)袖を通して少しずつ実感が湧いてきた」と振り返る。

韓国を3-0で下した決勝戦では2番手で登板。1回打者3人を1奪三振無失点とパーフェクトに抑え、金メダル獲得に貢献した。大会通算では4試合6回1失点。直球中心に押し込む投球で手応えをつかみ「新しい自分、海外でもある程度は通用したかな」と自信になった。

駒大苫小牧出身で日本ハム伊藤大海投手(25)の2学年後輩にあたる。「1年目からローテーションで回っていて、(東京)五輪で金メダルをとっている」と先輩右腕の活躍には今も刺激を受けている。

東海大北海道を卒業後、プロ入りを目指して長野・信越硬式野球クラブに進んだ。平日は夕方5時まで仕事をした後に自主練習。土日は全体練習に参加する。食事は毎日自炊し、栄養管理にも気を使っている。色紙には迷わず「プロ入り」と記した。23年、大きな目標に向かって走る。【山崎純一】

◆工藤稜太(くどう・りょうた)1999年(平11)6月13日、登別市生まれ。登別幌別小1年時に幌別ベアーズで野球を始める。登別幌別中では軟式。駒大苫小牧では1年秋から背番号15でベンチ入り。3年時は春に全道優勝。夏の南北海道大会は2回戦敗退。東海大北海道2年秋に明治神宮大会出場。遠投110メートル。50メートル走6秒5。趣味は釣り。好きな食べ物はフルーツ。好きな芸能人は有村架純。家族は両親と妹2人。179センチ、75キロ。右投げ右打ち。