野球殿堂博物館による「2023年野球殿堂入り通知式」が13日、オンラインで行われ、エキスパート表彰で元阪神のランディー・バース氏(68)が選出された。12年に同表彰の候補者入りし、昨年まで2年連続で最多得票を得ながらも必要票数にわずかに届かず。三度目の正直で121票を獲得し、ついに殿堂入りを決めた。

バース氏は米国在住のため、ビデオメッセージ「日本の野球殿堂に選ばれて、とても名誉に感じています。野球ファンの皆さまありがとうございます。阪神タイガースでプレーできたことに感謝しています。阪神は日本一のチームだと思っています。そしてファンも日本一です」とコメントを寄せた。

外国人選手では60年に選出されたプロ野球初の300勝投手の巨人のヴィクトル・スタルヒン、94年選出の走攻守そろった日系2世の巨人、中日で活躍した与那嶺要以来3人目。外国人枠ができた1952年(昭27)以降の助っ人外国人としては、史上初の快挙だ。

バース氏は83年に阪神に入団し、88年まで6年間プレー。85年には主力としてチームを支え、4月17日の巨人戦では3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布(現阪神監督)のバックスクリーン3連発は伝説として語り継がれている。同年にリーグ優勝、球団創設初の日本一に導き、85、86年と2年連続で3冠王を獲得。86年に記録した打率3割8部9厘はいまだに破られることのないシーズンのNPB最高記録だ。

虎史上最強助っ人が、ついに日本野球界のレジェンドに仲間入りを果たした。

◆ランディ・バース 1954年3月13日、米国オクラホマ州ロートン生まれ。ロートン高から72年ドラフト7巡目でツインズ入団。77年メジャーデビュー。83年阪神入団。85年は3冠王に輝き、21年ぶりのリーグVに貢献してMVP。翌86年も連続で3冠王となり、同年の打率3割8分9厘はプロ野球記録。ベストナイン3度。88年途中に長男の病気で帰国し、そのまま退団。引退後はオクラホマ州の上院議員を務めた。現役時代は184センチ、95キロ。右投げ左打ち。