阪神担当記者がさまざまな話題を深掘りする「虎番リポート」。今回は、高知・安芸から場所を移し、今年から新たに2軍の春季キャンプとなる沖縄・うるま市の具志川野球場を現地で調査した。1軍キャンプ地の宜野座から約30キロ、車で約40分の場所に位置する新たな「虎の穴」を詳しく紹介する。【取材・構成=三宅ひとみ、波部俊之介】

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具志川野球場は、沖縄本島中部・うるま市の中心部に鎮座する。メイングラウンドは内野は黒土、外野はきれいな天然芝が広がり、甲子園に似た環境で、球場外も見渡せる開放感たっぷりの球場だ。両翼はやや狭めの94メートル、中堅120メートルで、外野のラバーフェンスは新調されたもの。収容人数は4000人強とされており、球場の東側には雨天時にも使用できる具志川ドームが隣接されている。

さらに球場北西側にはサブグラウンドがあり、その横には屋根付きブルペンが4レーン。さらに球場北側には昨年11~12月にかけて阪神園芸の手が加わり、4レーンのブルペンが新設された。すべての練習施設がメイン球場のすぐ側にあり、全体的にコンパクトな作りとなっている。

キャンプ開始の1週間前から阪神園芸がグラウンドの整備、総仕上げにかかる。これまで楽天の2軍、韓国のプロ野球がキャンプを張り、普段は小、中学生のボーイズリーグや、社会人、草野球で使用されることが多かった。阪神2軍の新たな拠点となることをきっかけに、長期的な計画で「プロ仕様」の球場へと改修を進めていく予定だ。

多くのファンが現地に訪れることを見越し、出店やキッチンカーの導入を検討しているという。球場関係者は「人気球団ですし、キャンプ全体で2000~3000人を見込んでます」と期待している。1軍キャンプ地から近いだけに、1、2軍の往復ツアーを組む虎党も少なくないだろう。新たな「虎の穴」が、南国をさらに熱く盛り上げそうだ。

◆うるま市 沖縄本島の中東部に位置する。05年4月1日に、具志川市、石川市、勝連町、与那城町が合併して発足した。市の公式サイトによると、サトウキビの栽培が盛んなほか、闘牛のメッカとしても知られる。23年1月1日現在の人口は12万5973人。

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