新二刀流に挑戦している日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)が、楽天との練習試合で天性の内角打ちを披露。適時打を含む右前打を3本放ち、対外試合初の「猛打賞」をマークした。

14日楽天との練習試合(金武)以来の実戦出場。1回に変化球を捉えると、続く3回の第2打席では内角のカーブに合わせて右手1本で右前へ。さらに4回の第3打席も、内角高めを巧みに片手で払い、対外試合初のタイムリーヒットにした。開幕カードの楽天相手に、今キャンプ全3試合で6打数5安打3打点、打率8割3分3厘。“打者矢沢”として開幕スタメンへ猛アピールしたが、「ああいう打ち方を意識してしまうと、しっかり振れなくなる。理想とするスイングではなかった」と不満げ。「僕自身は強く振ること、強いスイングで強い打球を打つことを大事にしている。もっとしっかりスイングできたら」と投打を極めるために、妥協はしない。

八木打撃コーチは「現状では2番で使っているが、足もあるので1番も面白い」。21日中日戦(北谷)で野手として途中出場し、23日ロッテ戦(名護)で投手デビューする見込みだ。【中島宙恵】

○…上沢が自主的にブルペンに入り、一緒にいた加藤貴のボールを受けるなど、リラックスした雰囲気で練習した。初実戦登板となる23日ロッテとの練習試合に向け「真っすぐが大事。しっかり投げながら変化球でカウント取ったり。どういう反応してくれるかを見ながらやりたい」。昨季は先発7試合目の5月7日西武戦で初勝利と出遅れており「新球場だし、早く勝った方が雰囲気も良くなる」と開幕カードでの初白星を見据えた。

○…加藤豪は楽天との練習試合に、6回から矢沢に代わり代打出場し、2打数2安打と気を吐いた。

8回の先頭ではワンバウンドしてフェンスに当たる右越え二塁打で出塁し、勝ち越しの生還。交代するまで3打数3安打だった矢沢に「この後も打って2番打者は5打数5安打にする」と宣言して打席に立ち、「今日に関しては内容よりも、矢沢との約束を果たせたのが良かった」と振り返った。

○…2軍キャンプから楽天との練習試合に参加した清水が、5回の守備から途中出場し、8回2死一塁から中堅へ適時二塁打を放った。1軍での対外試合初安打で「1本出たのでホッとした」と安堵(あんど)した。1軍捕手は伏見、宇佐見ら4人が激しく正捕手争いをしており、「僕は取り残されないように結果を出し続けるしかない。まず信頼を得られるように」と気を引き締めた。

○…上原が楽天との練習試合で今キャンプ最長の3回を投げ、2安打無失点4三振と上々の投球を披露した。「先発でやれるチャンスがある。何とかローテに近づけたら」。加藤投手コーチは「(先発の)上沢、加藤貴、ポンセが順調にいけばいいが、そういかないときもある。その他は確定していないので可能性はある」と説明した。打撃練習も夜間などに自主的に続けており、二刀流での開幕メンバー入りを狙う。

○…守護神完全復活を狙う石川が、楽天との練習試合の9回に登板し、1回を無安打無失点に抑えた。勝ち越し直後の登板。4点リードも「セーブシチュエーションのつもりで投げた。(四球と失策で)走者を出しても、落ち着いてゼロに抑えられたのは良かった」と振り返った。新球種のスプリットも試し「今日は感じは良かった。この感じで続けられれば使える」と手応えを口にした。

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