開始早々に大歓声を浴びた。ロッテ藤原恭大外野手(22)は1回、ヤクルト竹山の138キロをたたいて中堅右へ。球足の速い打球に俊足の丸山和も追いつかない。「センターが後ろにそらしたのが見えたんで、全力で走ろうという意識でした」。右翼サンタナがカバーにもたつき、大塚三塁コーチが腕を回した。藤原はヘッドスライディングで一気に生還した。

かつて「1打席目の初球から常にホームランを狙っている」と明言し、プロ1号も2号も先頭打者アーチだった「先頭弾男」。それでもランニング本塁打は大阪桐蔭時代以来だった。3回は四球で出塁して暴投で生還、4回も左前打と全3打席で出塁した。

走攻守そろったスター候補として入団してから、はや5年目になる。「この5年の中では一番順調っていうか。自分の納得いくフォームで打てている感じです」。昨年は1軍出場49試合にとどまったが、細かな修正を重ねて試合用の打撃を構築。石垣島キャンプのシート打撃では佐々木朗から安打性の当たりを放った。15日の練習試合(糸満)では1学年上のヤクルト村上の元にあいさつに駆け寄り、テイクバックについて直接助言をもらった。

外野手争いでは同い年の山口が、5戦4発と打ちまくっている。藤原は「一番ライバル意識が強い。今日も打ってましたし、気にするところもありますけど。自分もしっかりアピールして負けないくらい頑張りたい」。バットで、足で、まだまだ“見せる”時間はある。【鎌田良美】

◆藤原の初回先頭打者本塁打 通算9本塁打のうち2本打っており、20年10月14日楽天戦でプロ初アーチとなる先頭打者弾。2日後の16日日本ハム戦でも再び放ち、プロ1、2号が先頭打者本塁打という史上3人目の珍しい記録をつくっている。ちなみに、公式戦で先頭打者ランニング本塁打を打った選手は、18年青木(ヤクルト)まで過去9人いる。

▽監督代行を務めるロッテ福浦ヘッド(藤原について) あれだけいいものを持っているし、人気もあるんで。そこが一番かもしれないですけどね(笑い)。頑張ってもらいたいなと思いますね。

▽監督代行を務めるロッテ福浦ヘッド(藤原について)「あれだけいいものを持っているし、人気もあるんで。そこが一番かもしれないですけどね(笑い)。頑張ってもらいたいなと思いますね」

▽ロッテ種市(ヤクルトとの練習試合に先発し、2被弾含む3回5安打4失点)「カウントをうまくつくることができず、決め球が高かった。また次の課題として取り組んでいきたい」

▽ロッテ安田(ヤクルトとの練習試合で左中間への“1号”ソロ含む3打数2安打1打点)「山口がもう4発も打ってるので、何とか1本とは思ってました。1本出てホッとしてます」

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